デビューなんて、 ページ3
side スホ
正直言って
"Aと一緒なら心強い"
そう思った。
以前からAは有名な練習生だった。
韓国語の語彙力は
韓国人の俺たちよりも
遥かにあったし
歌だってすごく上手かったし
ダンスだって
キレのある、だけどしなやかな踊り方
そしてなによりも
あの芯のある性格とまっすぐで凛とした瞳。
逆境にひとりで立ち向かうその姿を
俺は何度か見ていた。
他の練習生に陰口を言われても
手を出されても
なにもやり返さなかった。
ただ黙々とひとりで自分のやるべきことを
こなしていた。
そんなAと初めて言葉を交わしたのは
暑苦しい夏場だった。
むさ苦しいレッスン室を出て
近くにある自販機へと飲み物を買いに行った時
「大丈夫ですか…？」
『うっ、はぁ、大丈夫…です、っ！』
恐怖に怯えた表情で
ボロボロと涙を流すA。
その姿が
儚くて、脆くて
近くにあった非常階段へ
手を引いて連れて行ったんだっけ。
『あの、本当に大丈夫ですから』
「泣いているのを見て放っておけるわけないですから」
理由は深く詮索されるのは嫌だろうと思って
聞かなかったけれど、
恐らく他の練習生に何かされたか言われたのだろう。
話していくうちに打ち解けて
同い年だということ
そしてAが日本人であることを知った。
『日本人だからかなぁ…』
そう呟いた時のAの
悲しそうに笑ったあの表情は
二度と忘れることはないと思う。
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なな - この組み合わせ最高です！ (2019年3月29日 2時) (
レス) id: 56de4c3642 (このIDを非表示/違反報告)
初音(プロフ) - 好きと好きが合わさった素敵な小説…楽しみにしてます！ (2019年3月24日 18時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シヲン | 作成日時：2019年3月23日 20時
