初恋1 ページ1
「よっ。鶴丸国永だ。俺みたいなのが突然来て驚いたか?」
「や、やっっったーー!!!!」
私が審神者になってから半年が過ぎ、今日、やっとのことで念願の鶴丸国永を鍛刀で顕現させることができた。
私はそこまで霊力がたくさんあるわけではないので、日課の3回がいつも限界。あとは、戦場でドロップした子を顕現していた。
しかも、伊達組の子達は表には出さないものの、いつもソワソワしててとても申し訳なかったので、今回の顕現では余計嬉しさが倍増した。
「鶴丸国永さん、来てくれてありがとうぅぅう!!
…ハッ、間違えた!!えっと、私はA。ここの審神者をしています!鶴丸国永さん、これからよろしくお願いします」
私は興奮しすぎてすかさず手を握りしめてしまったことに気付き、しっかりと挨拶をする。
「ハハッ、今回の主はとても元気なんだな!鶴丸国永だ、よろしく頼むぜ!」
鶴丸国永さんはそう言いながら、私の頭を撫でた。めちゃくちゃフレンドリーな刀だな〜と考えていると、鶴丸国永は「ところで…」と少し顔を赤らめながら言った。
「どうしました?」
「その…君に一目惚れしたんだ。俺と恋仲になってくれ!」
「あ…え…えっ!?」
「この通り!お願いだ!!」
「えぇぇぇえええ!?!?」
驚きすぎて言葉が出ない私に、鶴丸国永はめちゃくちゃグイグイと来る。
「あ、ええええと、私たちまだ会ったばかりで何も知らないですし、あの、その、一応主従関係でもあるので付き合うのは難しいかとッッ!!」
私が動揺しながら早口で捲し立てると、鶴丸国永さんは顎に手を当て考え込む。その動作だけでも様になるのでついドキッとしてしまった。
「それなら、大丈夫だ!これからお近付きになればいいんだからな」
そう言って彼は、パッと花火のような笑顔を咲かせ、私はまた見とれることしかできなかったのだった。
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作者名:巴(ともえ) | 作成日時:2021年8月9日 13時