愛おしい人

26. ページ26

Aside

そろそろ家着くよとやまとからのメッセージを見て、なんだかソワソワしてしまう。

ガチャっと入ってきたやまとの手には、花束。
やま「今日、半年記念だから、俺と一緒にいてくれてありがとう。あと、これからもよろしく」

私が好きな白のかすみ草が入っていて、ポイントで赤のバラが入っていた。

驚きと嬉しさに少し目がうるっとしてしまう。
おめでたい日なんだから、涙じゃなく笑顔がいい。

『このバラ、やまとっぽいね』


赤のバラ、やまとのイメージカラーの赤。

やま「でしょ？笑」


花束を大事に抱え、やまとをリビングに連れていく。

一緒に晩御飯を食べて、お風呂も一緒に入った。

お互いに髪を乾かしあったり、そんな平和な生活をやまとと過ごせることが幸せだった。

2人でたくさん話をして笑いあっていると、やまとがちょっとまっててと、どこかに行ってしまった。


やま「おまたせ、はい、これ」


渡されたのは高級ブランドの紙袋。


『これ！』


中身はシンプルなネックレス。
真ん中には小さい赤い宝石が輝いていた。


やま「お店で見てた時、絶対Aに似合うと思って。貸して」


やまとがネックレスを付けてくれる。

小ぶりなペンダントトップが、私の好みにぴったりで、思わずやまとに抱きついた。


『本当に嬉しい！やまと大好き！』


俺もと抱き締め返してくれるやまと。

今度は私の番。

ベッドルームに向かい、昨日買った物を持ってくる。


『はい、これ』


やまとは驚きながらも喜んでいて、急いで開けていた。


中身はリングの形のシルバーのピアス。
小さく、バラが掘られているデザインのもの。

お店で見た時一目惚れしたピアスだ。


やま「めっちゃかっこいいやん！ありがと！」


やまとは急いで鏡のところに向かい、つけて帰ってきて、どう？とにこにこしながら聞いてくる。


『うん！めっちゃ似合ってる！』

やま「ありがとうー！ほんと一生大切にする。ピアスも、Aも」


ゆっくりと私のことを抱きしめるやまと。
壊れ物でも触るような暖かくて優しい手。


やまとの唇に自分の唇を合わせる。

『愛してる』
やま「俺も愛してる」


私たちは、深く愛を確かめあった。

27. 決意→←25.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す