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それからしばらくの間、沈黙が続いて。
車はスピードを緩めると、
見たこともないくらい広い敷地内に、ゆっくりと輝くその車体を滑り込ませた。
勇太「 到着いたしました 」
神宮寺さんはシートベルトを外し車を降りて、
私の降りるべきドアを開けてくれる。
私は何の覚悟もしないまま降りた事を後悔した。
地面に足をつけた私は顔を上げて、
目の前に広がる光景に唖然として立ち尽くす。
見上げれば首を痛めてしまう程、
一瞬、博物館と間違えてしまう大きさ。
勇太「 廉様は、こちらです 」
ボーっとしていた私に声を掛けて、
スタスタと歩き出す神宮寺さんを追いかける。
いつの間にか、私のキャリーケースは車から降ろされて、メイドさんに持ち去られていた。
結果、手持ち無沙汰になってしまった。
というか、ここに来て今更の話だけど…
神宮寺さん、本物の執事さんなんだ。
この建物を目の前にすると、
立ち振る舞い全てが完璧になっていく。
一体、何がどうなっているのか、自分に起こっている事なのに理解出来ない。
私が想像していたよりも遥かに超えてしまって
ただただ目を奪われる物ばかりだから。
どこまで続くのか分からない廊下に
いくつあるのか分からない部屋の数々。
一般ピープルでは絶対に入れない夢のような建物。
私は、“ 圧巻 ” という言葉が最適な
広い永瀬家を眺めて、今年1番の溜息をついた。
勇太「 こちらでございます 」
これから…溜息の原因の、本人に会う。
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よえとぎ(プロフ) - るるぽんぬさん» コメントありがとうございます。いいお話がお届けできるように頑張ります! (2018年7月24日 11時) (レス) id: 1406827af9 (このIDを非表示/違反報告)
るるぽんぬ(プロフ) - 今日初めて見ましたがとっても面白いです!更新楽しみに待ってます! (2018年7月24日 11時) (レス) id: 7038e95e66 (このIDを非表示/違反報告)
よえとぎ(プロフ) - 七星さん» コメントありがとうございます。お話を届けられるように頑張りますね! (2018年7月24日 0時) (レス) id: 1406827af9 (このIDを非表示/違反報告)
七星(プロフ) - 毎回更新楽しみにしています!できれば完結まで見たいです! (2018年7月24日 0時) (レス) id: 26f8990d94 (このIDを非表示/違反報告)
よえとぎ(プロフ) - なぎーりさん» コメントありがとうございます。結末がお届けできるように頑張ります! (2018年7月23日 23時) (レス) id: 1406827af9 (このIDを非表示/違反報告)
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