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あれから、紫耀とか誘ってみたけど、もちろん仕事があるって言って断られて。
やっぱり凄いなぁって感心する羽目になる。
このメンバーでの飲み会って紫耀のおる時のほうが、10割増しでおもろくなるから、
飲み会に行くときは全員でって決まりがあって。
まぁ仕方ないかって思いながら、荷物の入った重たいカバンを持って、練習部屋から出ると、
“ ある店 ” を目指した。
外に出ると雨が降ってるのに気づいて、嫌な予感がするなぁって思いながら、
なぜか鞄に入ってた折り畳み傘を広げる。
と、折り畳み傘の袋の中に小さなメモ用紙が入ってるんに気づいて、気になって読んでみる。
『 帰りにリンゴ買ってきてね 』
そこには俺の字とは比にならんくらい、めっちゃ綺麗な字で短くそうやって書かれていた。
何となくの予想で、おねーさんやなって。
こんなことが出来るんはあの人だけやし、しようと思ってやってくるんもあの人しかおらん。
なんか、俺、翻弄されてるなぁ。
こうやって鞄の中とか、ポケットやなくて、…折り畳み傘の袋に入れてくるあたり…
俺が使うって最初から予想してた、みたいな。
そうやって思いながら夜の街を歩く。
俺が、今から行こうと思ってる店は…
東京に戻って来てから結構な頻度で通ってる、オシャレなブランドショップ。
アクセサリーとか、服とかを買うときは、大体この店って決めてる感じがあって。
他の店も回ったりするけど、大半はここ。
「いらっしゃいませ」
ジメッとした外の空気とは違って、物静かな落ち着いな雰囲気のお店に癒される。
店員さんの程よい高さと大きさの声。
小さくても買い物を楽しませてくれる、ゆったりと流れている不思議なBGM。
これ以上に好きな場所はなかった。
__今までは。
今では、おねーさんと一緒におったら、どこでもすぐに好きな場所に変わる。
昔から苦手やった場所とかも、今度はおねーさんと一緒に来れたらええなって考えながら行くと、
嫌な場所なんかやなくなる。
ふらふらと店の中を歩きながら、お目当てになりそうなものを探してみる。
ネックレスがええかな?…うーん、
辺りを見渡して、キラキラと光るアクセサリーが並ぶショーケースをじっくりと眺める。
おねーさんなら、どんなんが似合うかな?
どれも似合いそうやな、美人やし。
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よえとぎ(プロフ) - ちなみ氏さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけるととても助かります!次の作品は上手く出来るように励むので覗いてみてくださいねw (2018年7月4日 11時) (レス) id: 1406827af9 (このIDを非表示/違反報告)
ちなみ氏(プロフ) - よえとぎさんの小説は毎日の楽しみです。完結の仕方はご自身が納得されてるのであれば全然ありだと思います!おつかれさまでした┏○)) また次作も楽しみにしております! (2018年7月4日 8時) (レス) id: 9730464fb1 (このIDを非表示/違反報告)
よえとぎ(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます。頑張りますね! (2018年6月16日 22時) (レス) id: 1406827af9 (このIDを非表示/違反報告)
あや - たのしみにしてます! (2018年6月16日 21時) (レス) id: 3349337455 (このIDを非表示/違反報告)
よえとぎ(プロフ) - 西野ぴよこさん» コメントありがとうございます。これからも廉くん目線を増やしていくつもりなので、期待しててください! (2018年6月13日 16時) (レス) id: 1406827af9 (このIDを非表示/違反報告)
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