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部屋を出て急ぎ足で優太の元へと走る。
多分やけど、優太の事やし、いつもの所でコンビニ弁当でも何でも適当に食べてるやろ。
なんて安易な気持ちでそこに着くと、
思ってた通り、優太の指定席となってしまった、窓際の外がよく見えるテーブル席に、
机の上に美味そうなハンバーグ弁当を広げて、お決まりのジュースを片手に座っていた。
俺はその姿を見つけるなり、側に駆け寄る。
「おった、」
「おー、どした?」
軽く声をかけると、スマホから顔を上げる。
サッと手を上に上げて、手招きをした優太の横の椅子に、遠慮なく座ると、
何の断りもなく優太のハンバーグを食べる。
“ あ!ちょ、!” って驚いたような顔をして、信じられないとでも言うように俺の事を見てくる。
でも、なんだかんだ俺に甘い優太は、最後には仕方ねぇなって言って笑顔で許してくれる。
最年長やからなんか、優太が優しいからなんか。
甘やかされてる俺は、そんな事を考えることなんて一度もなかったわけで。
今更ながら、なんでやろ?って不思議になった。
それから優太とダラダラも他愛もない話をしながらお昼の休憩時間を過ごした。
もちろん、おねーさんの話もめっちゃしてやった。
優太は終始ニコニコしてて、ちょっと気持ち悪いなって思いながら話してたんやけど。
午後の練習は、午前中よりもキツくて。
全身の筋肉という筋肉が、悲鳴をあげて、おかしなるんやないかって思うくらいやった。
「はい!今日は終了!」
終了時間が迫って来て、音楽が止まったと思えば、振付師さんの声が広い部屋に響いた。
“ つかーれたー!” って言いながら、床に倒れこむ紫耀と海人を他所に、俺はまだ練習。
こうでもせんと、絶対に追いつかへん。
苦手な所を何度も何度も練習して、ミスが一個でも減るように鏡を見ながら確認する。
紫耀なら、こんなん簡単にやるのに。
なんて思いながら、周りの視線も気にせずに必死になって練習してると、声が聞こえて。
「廉、付き合うよ」
紳士的に横に現れたジンが、いつもはせんような優しい顔で微笑みながらフリ確認を始める。
ジンのこういうとこ、結構、好きなんやけどな。
せっかくやし、今日はみんなでワイワイ飲みに行ってもいいかもしれへんなぁ、笑
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よえとぎ(プロフ) - ちなみ氏さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけるととても助かります!次の作品は上手く出来るように励むので覗いてみてくださいねw (2018年7月4日 11時) (レス) id: 1406827af9 (このIDを非表示/違反報告)
ちなみ氏(プロフ) - よえとぎさんの小説は毎日の楽しみです。完結の仕方はご自身が納得されてるのであれば全然ありだと思います!おつかれさまでした┏○)) また次作も楽しみにしております! (2018年7月4日 8時) (レス) id: 9730464fb1 (このIDを非表示/違反報告)
よえとぎ(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます。頑張りますね! (2018年6月16日 22時) (レス) id: 1406827af9 (このIDを非表示/違反報告)
あや - たのしみにしてます! (2018年6月16日 21時) (レス) id: 3349337455 (このIDを非表示/違反報告)
よえとぎ(プロフ) - 西野ぴよこさん» コメントありがとうございます。これからも廉くん目線を増やしていくつもりなので、期待しててください! (2018年6月13日 16時) (レス) id: 1406827af9 (このIDを非表示/違反報告)
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