＃７ ページ28
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「じゃ、作ってくるね」
そう言って廉くんの手から自分の手を離すと、薬をティッシュの上に置いてベッドから立つ。
名残惜しそうな顔をしていた廉くんを横目に寝室のドアを開けて部屋を出るとキッチンに。
冷蔵庫から廉くんの好きそうな食材を適当に出してみて、その中から健康そうな物を取る。
まだ好き嫌いの基準も知らないのに…
まぁ、廉くんならどんなご飯でもアスパラ “ 以外 ” ならなんでも喜んで食べてくれるかな。
なんて安易に考えながら箸を手に取る。
そういえばお粥って何入れたらいいんだっけ？、白ご飯と卵は知ってるんだけどさ。
ネギとか、梅干しとか入れるんだっけ？
ボールの中に卵を割って適当にかき混ぜると、出汁と水を入れた鍋を強火の火にかける。
その中に雑っぽく白ご飯を入れる。
出汁のいい匂いと卵の甘い香りがキッチンの中に充満して、私までお腹がすいてくる。
とふと、卵を混ぜ込んだお粥を見て私は思ってしまった…え、これ、おじやじゃんって。
鍋から木のスプーンで掬うと口元に持ってくる。
匂いは美味しそうだけど…問題は味なわけであって、病人に不味いものは食べされられない。
「ん、美味しい…！」
お粥は人生で初めて作ったけど、案外美味しく作れるもんだなーって感心する。
某アルプスのアニメに出てきそうな茶色の濃い木の器に出来立てのお粥を入れる。
いい匂いのするキッチンを出ると、寝室へ。
私は、てっきり廉くんが寝てるもんだと思ったから静かに寝室に入ったけど…
全然寝てなくて、逆に布団に横たわりながら楽しそうにスマホで何か操作をしていた。
病人なんだから大人しくしてろよ、ってイラッとしながらも近くの椅子を取り出して座る。
と、こちら側に体を向けなおして体を起こした。
「いい匂いする〜、」
って嬉しそうな顔でお粥の入った器を覗き込みながら、大きく息を吸った廉くん。
私が廉くんの目の前にお粥の入った器とスプーンを差し出すと、ニコニコと微笑んだ。
でも、せっかく差し出して上げてるのに、その器を手に取る様子はなくて微笑み続けている。
“ 食べないの？ ” って声を掛ける。
すると、廉くんの口からお決まりの言葉が…。
「食べさせてーや」
目をキラキラさせたまま、首を傾げている私の方を見上げて、余裕そうに笑っていた。
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よえとぎ(プロフ) - ちなみ氏さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけるととても助かります！次の作品は上手く出来るように励むので覗いてみてくださいねw (2018年7月4日 11時) (
レス) id: 1406827af9 (このIDを非表示/違反報告)
ちなみ氏(プロフ) - よえとぎさんの小説は毎日の楽しみです。完結の仕方はご自身が納得されてるのであれば全然ありだと思います！おつかれさまでした┏○)) また次作も楽しみにしております！ (2018年7月4日 8時) (レス) id: 9730464fb1 (このIDを非表示/違反報告)
よえとぎ(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます。頑張りますね！ (2018年6月16日 22時) (レス) id: 1406827af9 (このIDを非表示/違反報告)
あや - たのしみにしてます！ (2018年6月16日 21時) (レス) id: 3349337455 (このIDを非表示/違反報告)
よえとぎ(プロフ) - 西野ぴよこさん» コメントありがとうございます。これからも廉くん目線を増やしていくつもりなので、期待しててください！ (2018年6月13日 16時) (レス) id: 1406827af9 (このIDを非表示/違反報告)
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