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「…なぁ、おねーさん」


廉くんは私の首元に緩く顔を埋めながら、悲しそうな心配するような声で言った。

首にかかる廉くんの息が、凄く擽ったくて。

“ 別れ ” っていう事実を心が嫌がってるって、より一層強く感じられてしまう。

それが嫌で、ギュッと目を瞑ると…


「…俺が、Aを…守ってもええ?」

「……ぇ、?」


あまりに突然すぎる衝撃の台詞に、別れだと思い込んでいた私は変な声を出してしまう。

でも、その台詞の後、私の言葉をじっと待っているのか、廉くんの動く気配はなくて。

“ 別れ ” とは違う意味を示しているみたいだった。


「、守れる…なら、守ってみて?」

「ふふ…そう言うと思った」


私が途切れ途切れ、上手く出すことのできない声で余裕そうに見せかけて答えると、

いつもみたいに柔らかく笑った廉くん。

“ よかった ” って心の中でガッツポーズをしながら、廉くんの腕の温度を感じている。


すると突然、首元に廉くんの体温とは真逆の、冷たい無機物な何かが当たった気がして。

廉くんから少しだけ離れて、首元を見下げる。

そこには…


「こ、これ…、」


私が廉くんのために買ったものと同じ形をして、同じような輝きを放っているネックレスがあった。

そこで私はやっと悟ることになる、…廉くんは、家から出て行ったんじゃなくて、

このネックレスを買いに行ってたって事に。

本当のことが分かってしまうと、さっきまで悲しんでいた自分が一気に恥ずかしくなる。

顔が真っ赤になっていくのが、自分でも分かる。

ありもしない事を勝手に想像して泣いてたなんて…恥ずかしすぎて死にたいっ。




と、私の首の後ろに腕を回してネックレスをつけてくれていた廉くんが腕を緩めた。

廉くんはいつものように余裕そうに笑って、ネックレスのチェーンをなぞるように指を滑らせた。


懐かしく好むような視線で飾りを見つめる。

廉くんは、ふわりと私に視線を合わせると、もう一度ネックレスの飾りに目を移した。


「俺からの、プレゼント…オープンハートって言って、心を開くって意味があんねんて」

「、知ってる…」


廉くんの言葉を、自分もどこかで聞いたことあるような気がして、そうやって言う。

すると、不思議そうに首を傾げた廉くん。

そりゃそうだよ…だって、

オープンハート、“ 心の開く ” ネックレスって、私が廉くんに買ったやつだもん。




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よえとぎ(プロフ) - ちなみ氏さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけるととても助かります!次の作品は上手く出来るように励むので覗いてみてくださいねw (2018年7月4日 11時) (レス) id: 1406827af9 (このIDを非表示/違反報告)
ちなみ氏(プロフ) - よえとぎさんの小説は毎日の楽しみです。完結の仕方はご自身が納得されてるのであれば全然ありだと思います!おつかれさまでした┏○)) また次作も楽しみにしております! (2018年7月4日 8時) (レス) id: 9730464fb1 (このIDを非表示/違反報告)
よえとぎ(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます。頑張りますね! (2018年6月16日 22時) (レス) id: 1406827af9 (このIDを非表示/違反報告)
あや - たのしみにしてます! (2018年6月16日 21時) (レス) id: 3349337455 (このIDを非表示/違反報告)
よえとぎ(プロフ) - 西野ぴよこさん» コメントありがとうございます。これからも廉くん目線を増やしていくつもりなので、期待しててください! (2018年6月13日 16時) (レス) id: 1406827af9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よえとぎ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年6月6日 23時

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