私の大切な日々。 (ページ2)

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運命の日。ページ2

そもそもの話。
私がここに入れてもらったのは単なる偶然でしかない。
とある商店街で兄と買い物をしていた所私たちの社長、ジャニーさんにオーディションに来ないかと誘われた。
オーディション会場へ向かうと辺りには男、男、男…。
私来るところ間違えたんだろうか、って思うレベルで女は私しかいなかった。

そう、この時まだ私は知らされていなかった。
女は私一人ということを。

．．．

オーディションの内容を聞けば、ダンスや歌を審査されるだとか。
…どちらも人並みにしか出来ないから落ちるなぁ、なんて考えていた時だった。

「なあなあ！キミなんていうん？」
馴れ馴れし、いや、気さくに話しかけてきた私と同じくらいの男の子。
『え、鈴乃っていうけど。』
「ちゃうやーん！そういう時はフルネームやで！」
『え、あ…鈴乃A。』
「へ～Aちゃんね、なるほど！お互い頑張ろな！」
ニコニコとしながら私へ話し掛けるその少年が。
どうしたって疑問だった。

『アンタさ、』
「丸山隆平。」
『は？』
「俺の名前！好きに呼んで！」
『じゃあ…マル。何で私に話し掛けたん？だってここやったら私、』
異端やろ。その言葉は飲み込む。
ショートカット、トレーナーにジーパンと言えど流石に女と男の区別くらい付く。
私の周りには誰もおらずただ遠巻きにヒソヒソと話をされるだけの空間を。
目の前にいるマル、が打ち破った。
「なんでって…別に理由はないけどな！気になっただけや！」
『…何それ、しょーもないなあ、』
「おー笑った！やっぱ女の子は笑ったら可愛ええなぁ！」

それが私と彼の出会い。
そこの空間にはまたとある人物がいたのだが、それはまた別の話。