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「あんまり俺のこと子供扱いせんといて。」
ギシリとベッドが軋む。両手は頭の上で拘束されていて、スギルの余裕のない顔の奥に天井が見えた。
「力だけやったらAさんにはもう負けへんで。動けへんやろ、Aさん。」
グッと手に力をいれる。スギルの言うとおり、少しも動かない手にAは苦笑した。あんなに小さかった子が自分を押さえつけるぐらいの力を身に付けるまでに成長したのか。
『一緒に寝ようって言ったのが気に入らなかったの？』
「俺だって男やで、Aさん。」
『家族だもん。』
「家族ゆーたってAさんは危機感無さすぎなんちゃう？俺も、ランたんもハッチもシュウさんも、男やで。」
Aは困ったように笑う。この頃何度かそう意識せざる終えなかったけれど、まさかスギルにこんな形で注意されるとは。
そもそもこうなったきっかけは夜中、スギルの部屋から大きな物音がしたからである。それに気づいたのはAだけで、あわててスギルの部屋へ駆け込むと、「アハハッ、怖い夢見て落ちてしもうた。」と頭をさすっていた。
だからAは、すでに効果の切れてしまった魔法の代わりに『一緒に寝よっか。』と提案しただけなのだ。
「あんな、Aさん。俺分かってんねん。俺ももういい歳やし、Aさんに向ける感情が何かってことくらいわかっとるんよ。けどな、嫌やんか。ランたん達との関係崩れるんも、なによりこの生活が変わるんが。だからそうやって、あんまり俺を煽らんといて。」
彼らももうそろそろ一人立ちさせるべきかもしれない、とAは思った。
全員が楽しい思い出のまま、今の生活を終わらせるべきかもしれない。
けれど。
『…ごめんね、気を付ける。』
＿＿もう少しだけ彼らを縛らせて
＿魔女とおおかみ＿
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紅々李(プロフ) - コメント失礼します､どんなお話なのかとワクワクしながら読んでいると彼らの心情や主人公との出会いで変わっていくのが分かって最後はもう涙腺崩壊でした…何度読んでもしんどいです…本当にこの作品に出会えてよかったです！拙い文章失礼致しました｡ (2019年1月10日 20時) (
レス) id: 3c7b79c0e1 (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん(プロフ) - ふぇりさん» そう言っていただき嬉しい限りです(*^^*)ありがちであったかもしれませんが、楽しめていただけたようでなによりです。コメントありがとうございました(*^^*) (2018年10月27日 11時) (レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
ふぇり(プロフ) - はじめまして。 ほんとに、、展開が素晴らし過ぎてもう涙腺ゆるゆるです、、、魔女集会×ナポリ最高ですね、、、素敵なお話ありがとうございました！ (2018年10月26日 23時) (レス) id: bc79850136 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しーちゃん
| 作成日時：2018年9月24日 15時
