宅のみ ページ19
「お前さぁ、なんであんとき動揺したわけ？」
まずい。こんなことならとしみつ君の家で宅のみなんてするんじゃなかったと、今更ながら後悔する。
目の前のとしみつ君に酔った様子はなくて、じっと上から私を見下ろしていた。
「てことはあれか、そこら辺は思い出してないってことか。」
ははっと彼が笑う。ほんのりと香るお酒の匂いによってしまいそうだった。頭の上で拘束された手は動かすことが出来ず、抵抗も無駄なようだ。
「ま、思い出してもお前の彼氏は俺だけどな。」
耳元でそう口にする彼の色気といったら童貞と馬鹿にできないもので、不覚にも余裕がないのはこちらだった。
『んっ。』
そういえば前もとしみつ君はお酒を飲んでいる時だったたと思い出す。けれど今の彼は酔っていないし、どちらかと言えば酔っているのは私の方だ。
ちゅちゅとわざと音をたてるようなキスに段々力が入らなくなる。
「…あーやば。止まらんかもしれん。」
はぁ、と熱っぽい吐息が首筋にかかる。これは私のためにも彼のためにもよくない。
『としみつ君。流石にこれはよくない。』
しっかりと彼の目を見て言った。そらせば彼はこの言葉を受け取ってはくれないと知っていた。
「…俺に好きっていってみろ。俺に、俺に好きって、いってみろ。」
少し涙声だった。私に戻ってない記憶で苦しい思いをしているのは私じゃなく彼らで、本当に皆の中に恋人がいるんだとしたら私は最低くずやろうだ。
『それは、としみつ君を傷つける。』
「言って。一回だけでいいから…、別に、気休めでいいから…。」
ぐすっと目を潤ませる彼はあまりにも綺麗だった。私のこの甘さは今までにどれだけの人間を傷つけてきたのだろう。
『…好き、好きだよとしみつ君。』
最低だと自傷気味に笑った。
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奈々(プロフ) - 初めまして！この作品を見返していて、やっぱりこの作品が好きだなぁと思いコメントさせてもらいました！特に風邪引きさんの話が大好きです！！ヒーローの願望も読ませていただいてます！いつかこの作品が更新されるのを楽しみにしています！ (2020年2月8日 4時) (
レス) id: 5a1230bb7d (このIDを非表示/違反報告)
ヒガシ(プロフ) - 大好きな作品ですので、いつか更新再開されるのを楽しみに待っております。 (2019年3月30日 9時) (レス) id: 34554b4b1a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 更新停止ということでいいのでしょうか、、？？ (2019年2月18日 13時) (レス) id: 402ed1631b (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - ゆいさん» 更新長らくお待たせしてしまい、誤解を生んでしまったようで申し訳ありません。この作品はまだ続きます。誰が彼氏か、是非最終回までお待ち下さい(*^^*)コメントありがとうございました！ (2019年1月8日 23時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - パラディさん» ありがとうございます(*^^*)とても励みになりました。更新も増えていくと思うので、是非明日からもこの作品をよろしくおねがいします。わざわざコメントありがとうございました！ (2019年1月8日 23時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しーちゃん（える）
x他1人 | 作成日時：2018年6月16日 18時
