◇9 ページ13
『朝だよ、徹君。』
目を開くと少し不服そうなAが一番に目にはいる。
『もー、何回も起こしたのに。』
プクッと頬を膨らます様は幼く、それでも小さい頃と比べるととても綺麗になった。
俺と岩ちゃんと彼女は幼馴染み。小さい頃から一緒で、だからAの事だっていろいろ、いろいろ…知っているのに。
『ほら、早く起きて。ご飯は作ってあるから食べよ。徹君、家帰って学校の準備しなきゃ遅れちゃうよ？』
今のAの事は、全然全く意味が分からない。
気がつけば朝食を当たり前のようにとっていて、玄関で靴を履いていた。Aだって烏野の制服を来て、綺麗な髪をフワリと揺らしている。
『んじゃね、徹君。久々にいっぱい話せて嬉しかったよ。』
「う、うん。あの、Aちゃ『本当に、本当に楽しかった。ごめんね、こんな幼馴染みでごめんね。』っ…！」
苦しそうに歪んだ顔は彼女らしくないもので、それでも最後にはニコリといつものような笑みを浮かべた。
『またね、いってらっしゃい、徹君。』
困惑して、馬鹿な俺は「またね。」と彼女と目を合わさずに背を向けた。
変な違和感が体を締め付けるようにまとわりつくが、それでも俺は足を止めることはなかった。
彼女が彼女であり彼女じゃなかった事ぐらい、俺は顔を合わせたその日に気づいていたはずなのに。
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あ - えかなしすぎる (2019年7月31日 15時) (
レス) id: 0b49310475 (このIDを非表示/違反報告)
卯月 - 凄く面白かったです！ハイキューはマネージャーの作品が多いのでこの作品はとても新鮮でした！素晴らしい作品をありがとうございます！応援してます!! (2019年3月17日 12時) (レス) id: ac010926fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しーちゃん
| 作成日時：2018年1月28日 9時
