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ただ純粋に、この人達はいい人である。
画面越しで見ていた時、ただのキャラとしてしか認識してなかったこの人達。
関わってみると、キャラクターなんかじゃなくて一人の人間だって感じた。
弱音だってはくし、愚痴だって言う。けれど根はしっかりしていて、弱音も愚痴も人一人がもつ弱い部分が見えただけ。
対等じゃない。とてもじゃないが、私は皆と壁を作らなければ一緒にいていい存在じゃあなかった。
試合が近い今、迷惑なんてかけたくない。
突き放した方がいいに決まってる。
のに。
『やっば。』
ボロボロと涙をこぼす私はヒロインみたいで、何もかも本当に中途半端なんだなと思わされた。
「…よかった。」
そう呟いたの大地先輩で、訳がわからないとゴシゴシと涙を拭きながら思った。
「倉木原はさ、普段弱音なんか吐かないだろ?俺らチームがバタバタしてるとき、厳しくしたり応援したりして渇をいれてくれるのはいつだってお前だったよ。」
『いや、皆が自分達で立ち直ってただけだと。』
「まあ聞けよ。」
苦笑ぎみにそう言う大地先輩はやっぱりかっこよくて、こんな状況でも私はこんなことを考えているのかと軽く落ち込んだ。
「お前は、人より才能がある分体に大きなハンデを抱えていて、俺らがバレーしてるのを見るのだって辛いだろうにマネになってくれた。
バレーが好きなら尚更辛かっただろ。
でもお前は優しいから俺らに何も言わない。」
優しくは、ないと思う。
「けど今日、初めて本音を聞けた。何より嬉しいよ、俺は。ただ、これは昔も言ったと思うが、お前は自分を卑下しすぎ、かな。」
そういえばそんな事言われた。
『大地先輩に泣かされたの二回目です。』
「ハハッ、すまん。」
どうあがいたって私は、この人達には敵わない。
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名無し37805号(プロフ) - 面白いです!続き楽しみにしてますね。 (2017年8月15日 12時) (レス) id: 9ceef741a2 (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん(プロフ) - 彼岸花さん» ありがとうございます!その一言が励みになります!これからも頑張らせていただきます! (2017年7月21日 22時) (レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花 - 続き、楽しみにしています♪ (2017年7月21日 12時) (レス) id: 0ffce61a1e (このIDを非表示/違反報告)
ロロ猫 - わー!ありがとうございます。また今度違うのをリクエストします! (2017年5月22日 16時) (レス) id: c39da40321 (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん(プロフ) - ロロ猫さん» リクありがとうございます!まとめて出させて頂きますので、暫くお待ち下さい。 (2017年5月21日 8時) (レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しーちゃん | 作成日時:2017年5月8日 19時