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6話ー卵の殻にヒビが入る ページ7
｢ラザーーーーー
甘くて黒くてチョコッとしたものたべたーい｣
人間との取引を終えたリャンがねだる
｢先ほどの取引、なんだあれは｣
｢ええ？｣
｢リャン公爵、新月の夜にお越しいただきありがとうございます｣
｢いえいえ、大事な取引ですからね
魔族の動かないこんな日が適していますとも
ええ、こんな大事な取引にはね｣
ウインクとともに言ってやれば
頬を染めた男
んー、今男なんだけどね
｢それで、取引なのですが｣
｢まあそう焦らないで下さい、リャン公爵｣
肩に置かれた手
そのオークみたいな顔近づけてくんなよ
｢どう、されたのです？
私は父上と貴方の取引の継続のお願いをしに来ただけなのですが｣
もちろん、父上なんかじゃない
元々は適当な公爵を操ってただけ
それも結構な歳になってきたので新たな代わりが必要になったから養子として私を引き取らせた
そして年老いた義父を急に無くした幼い不幸な公爵様の出来上がり
幼いから警戒されずに懐まで潜り込める
元々の公爵とも渋っていた取引すらなんなくできた
ところで。
今貴族の間ではドールコレクションが流行っている
精巧なものほど高価で、それを何体も持っていれば貴族としてステータスになる、らしい
挙句の果てにそれにヨクジョーする輩まで現れる始末
取引される奴レイも幼い造作の整ったモノが日に日に値段が釣り上がっている
で、まあ、うん
あまり完璧にこなすのも不自然だから所々子供っぽくしてる、のが更にイイらしい
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作者名：リン | 作成日時：2017年4月8日 19時
