超越せし美しきバケモノ (ページ4)

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3話ー石は投げ入れられたページ4

｢そう言えば、よ｣
フランツが目の色を少し変えました

まさか
｢お嬢はどこにいる？
お嬢の血の匂いがしたからオレは部屋から出てきたんだが｣
呼ぶ前から部屋から出てきたと思ったらそういうことでしたかっ
｢っ！｣
ハル様の部屋の前に転移します

｢ハル様、入ります｣
｢……｣
部屋から返事はありませんが部屋のドアを開けます
後ろからフランツの来る音が聞こえますので少し急いでドアをしめました
軽くフランツが入れないよう邪魔もして

｢いるなら返事をしてください｣
｢うん？｣
サイドテーブルに腰掛けてぼんやりと物思いにふけっていたハル様
｢ハル様、あの｢お嬢！！｣フランツ！｣
勢いよく開いたドアから目の色を変えたフランツが入ってきました
邪魔は出来なかったようですね

ハル様の前に立つと後ろからハル様が出てしまい目を見開いてしまいました

｢ハル様？！｣
｢フランツ、刺激したようだな
飲むがいい｣
御御足を出して少しだけ傷をつけるとその傷口からの血をすくうようにフランツがひざまずき傷口に口をつけました

フランツは元々人間の軍にいました
そこで彼のバケモノじみた力により彼の居場所はありませんでした
唯一の拠り所は軍医の方で、その方に暇つぶしに技術を学んだそうです

ある人間と私達の戦争で彼は敵側にいながらいつの間にか戦場に一人きり取り残されていました
軍にしてみればやっかいな化け物を処分できたということでしょう

しかし

そこで彼は絶望するでもなく果敢にこちらに挑んで来ました

それを面白く思ったハル様が死にかけの彼をわざわざ軍医のところまで運んでやると、彼の居場所だった軍医はあっさりと彼を見捨てたのです

そこでも彼は絶望はせず、死にかけにも関わらず軍を壊滅にまでい追いやったのでした
そこでハル様が気に入ってアンデッド化させ、下僕としたのでした

嗚呼全くなんて気まぐれなお方なのか！