ただいま ページ6
それから俺は消防隊活動が出来なくなるほどずっと悲しんでいて部屋にこもっていた。こんな姿アーサーに見られたら馬鹿にされるだろう。だけど今は何もする気が起きない。
もう俺はヒーローにはなれないのかもしれない。俺よりあいつの方がヒーローだった。俺を助けてくれた、なのに俺は何もしてあげられなかった。アーサーに会いたい…日に日にその思いは強くなっていった。
アーサーがいなくなってから1週間が経った
俺は覚悟を決めていた。久しぶりに部屋から出て外に行く。
俺がこんな思いをしてるのなんて知らない街はいつもと変わらなかった。
腕にはあいつに貰ったブレスレットが2つついている。あいつの分も持って行ってやろうと思った。
俺は今橋の上に立っている。もう覚悟を決めてる。だから涙は出ない。
あいつは最後笑っていた。だから俺も最後は笑わないと。
「お母さん、ごめんなさい。俺、ヒーローになれなかった。約束守れなかった。」
俺は今上手く笑えているだろうか。あいつが居なくなってから全然笑ってなかったな。また
「なんだよ、その笑い方」って笑ってくれるかな。
「アーサー」
「今からお前のとこにいくよ」
最後に見た空はあの日と同じ、青くて綺麗な空だった。
「おかえり 森羅」
「ただいま」
「アーサー」 〜END〜
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作者名:ココ岡。 | 作成日時:2020年1月7日 22時