なんで ページ4
気がついたら俺は病院にいた。気を失っていただけみたいだ。
「森羅！」
「大丈夫か？」
「良かった…」
ベットの周りにはみんながいた。
「大丈夫です、心配かけてすいません」
みんながいるが1人足りない。
「アーサーは！」
「隣にいるよ」
俺は自分の隣のベットを見た。そこには傷だらけのアーサーがいた。
「アーサーなかなか意識が戻らなくて…」
「ここに来てからまだ目が覚めてないの…」
「そんな…アーサー…」
信じられなかった。今日の朝まで笑顔で俺と喋っていた奴が、俺の大事な人が今目の前で変わり果てた姿になっている。
「…俺を守ろうとしたから…俺が転んだりなんかしたから…俺が弱いから…俺が…俺のせいで…」
「森羅！」
「っ！…すいません…」
「少し落ち着け、大丈夫だ 森羅のせいじゃない アーサーは自分の意思でお前を守りたいと思って助けた お前が弱いからでもない」
「でも…」
「今お前にできることはなんだ？アーサーのそばにいてやることだろ？森羅、アーサーのそばにいてやってくれ」
「はい…」
「もう遅いから俺たちは一旦帰るからな」
「わかりました。ありがとうございます」
「アーサー…」
気づいたら俺は泣いていた。アーサーへの色んな思いが混ざって頭の中がグシャグシャだった。ただただずっとアーサーの手を握って泣いていた。
気づいたらもう朝になっていた。どれくらいの時間俺は泣いていたのだろうか。今はどうでもいいことだ。アーサーはまだ目を覚ましていない。
「早く目、覚ませよ…」
「お前らしくねぇよ…」
…うるせぇな
「っ！」
一瞬あいつの声が聞こえたがそれは俺の勘違いだった。
「なんで…俺なんかを守ったんだよ…」
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作者名：ココ岡。 | 作成日時：2020年1月7日 22時
