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彰「A、お粥温めたから食べな。流石にそろそろちゃんとしたもの腹に入れないと。」
お粥の入ったお椀を持って来てくれたけど、私には食べれないよ。
償わなきゃいけないんだから。
彰「A?」
『...彰くんが食べて。私はいいよ』
彰「だめ。ほら、食べさせてあげるから口開けて」
首を振ってもう一度断ると、差し出されたスプーンに乗ったお粥は彰くんの口の中に消えた。
よかった。
そう思った次の瞬間、
『んっ?!、、ん、!』
彰「ん、、」
彰くんは口に含んだそれを私の口へと移した。
びっくりして、思わず飲み込んでしまった。
『な、なんで、』
彰「こればっかりはAの言うこと聞いてられん。ごめんな。」
『っん、、ぅ、』
次から次へと口移しで食べさせらる。
飲み込まずにいようとすれば鼻をつままれて飲み込むしかない状況にされ、
抵抗しようと肩を押してみても上手く力が入らない。
そんなことを繰り返しているうちに、いつの間にかお椀の中身は無くなっていた。
彰「強引なことしてごめん。よく頑張ったな。」
いつの間にか頬を伝っていた涙を拭ってくれて、そのまま抱きしめられた。
大好きな温もりを感じたからか、涙が止まらない。
彰「怖がらせちゃったな。ごめんな」
『ち、、がう、、グスッ、、、こわく、、ない、』
彰「それならよかった。強引なことしてごめん。」
『ううん』
彰「なあ、A。会ってなかった間に何があったのか教えてくれん?」
『何もないよ。、、ただ、、忙しかっただけ』
彰「そっか。もしそれが本当なら信じるけど、別の理由があるなら俺としては一人で抱え込んで欲しくない。」
『...うん』
そうやって優しい言葉をくれるから全て吐き出してしまいたくなるけれど、本当のことを知ったら幻滅されるかもしれないという恐怖が勝ってしまう。
彰くんはこんなにも私に寄り添ってくれているのに。
彰「食器洗って来るからゆっくりしてて」
『やだ!』
離れて欲しくなくて、咄嗟に手を掴んでしまった。
彰「ごめんごめん、離れないよ。」
そう言う彰くんの表情はすごく優しくて、
『あの、ね、』
気づいたときには何があったのか話していた。
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作者名:美夜 | 作成日時:2024年2月13日 0時