検索窓
今日:18 hit、昨日:14 hit、合計:19,862 hit

ページ19

翔吾side



今年最初の日、Aちゃんが俺の側からいなくなった。





"普通の幸せを手に入れてください。私のことは探さないで。Aより"





そんな置き手紙を残して。





あの日から毎日、仕事終わりにAちゃんの会社の前で待っとる。




けど、全くそれらしき姿が見つからない。




Aちゃんはいつも19時には絶対に帰って来ていたからそれまで待ってみてはいるものの、未だに会えていない。





もっと遅い時間まで仕事しとるんかな。





いや、その可能性は低いか。




Aちゃんが前に、夜遅くに帰るのは危ないからという理由で上司に帰らされると言っとったから。






でも、だとしたらどうして会えないん。






ていうか、Aちゃんは今どこに住んどるん。




今のAちゃんの全てがわからない。




Aちゃんを取り戻したい。




もう二度とどこにも逃げないように、閉じ込めてしまいたい。




二度も逃げられるなんて想像すらしてなかった。




そんなことを考えながらいつものようにAちゃんの会社に向かっていると、信号の向こうに見覚えのあるマフラーが見えた。





俺がAちゃんにあげたのと同じマフラーが。





その人がこっち側に渡って来て、ようやく顔が見えた。





その人は間違いなく、Aちゃんやった。

・→←・



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
159人がお気に入り
設定タグ:THERAMPAGE , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美夜 | 作成日時:2024年2月13日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。