幸せなまま Shogo.I ページ16
「Aちゃん、起きや〜。もう朝やで!」
『ん、、、しょ、、ちゃん、?』
「やっと起きた(笑)おはよ」
『おはよ...』
私の頬を撫でながら微笑む翔ちゃんは、とんでもない天使やな。
「ほら、顔洗っておいで。」
『うん』
今日は久しぶりに二人の休みが被ったから、買い物デートに行く予定。
眠気を覚ますために冷水で顔を洗ってリビングに戻ると、いい匂いがした。
キッチンには翔ちゃんの後ろ姿があって思わず抱きついた。
「Aちゃーん?危ないから椅子座っときな?」
『いやや。翔ちゃんと一緒におるの』
「もー(笑)」
そう言って私の方に体を向けたかと思うと、翔ちゃんは私を抱き上げた。
そして、降ろされたのはソファーの上。
「ここで待っとって。すぐ終わるから」
『くっついとったら、邪魔?』
こんな面倒くさいことを聞いてしまうあたり、私はまだまだ子供だ。
「そんなわけないやろ(笑)でもな、俺はプロの料理人やないからAちゃんに火傷させたりしてまうかもしれんやろ?そんなん嫌やから、離れといて欲しいねん。」
面倒くさいはずなのにこうやって丁寧に説明してくれる翔ちゃんはどこまで優しいのだろう。
『わかった。待っとく。』
「ん、ええ子。」
翔ちゃんは私の額にキスをしてからキッチンに戻って行った。
__
「Aちゃーん、運ぶの手伝って〜!」
『はーい』
翔ちゃんが作ってくれたご飯を一緒にテーブルに並べて、二人でいただきますをした。
相変わらず翔ちゃんのご飯は美味しくて、見た目も綺麗。
料理下手な私とは大違いだ。
『...翔ちゃん』
「ん?」
『なんでこんなに料理上手なん?』
「ふはっ、ありがと(笑)でも、別に普通やと思うで?」
『これが普通って、、、私の料理はどうなるん?』
「何言ってるん?Aちゃんやって美味しいの作ってくれるやん。」
『...あかん、翔ちゃんイケメンすぎて見られへん。私、こんなええ男に育てた覚えないで?』
「何寝ぼけたこと言ってんの(笑)ほら、冷めないうちに食べよ?」
恋人になってからの翔ちゃんは、より一層イケメンになっている気がする。
きっと職場でもモテてるんやろうな。
私よりももっとずっと可愛い女の子に取られてしまうかもしれんな。
公にできないような関係性なのが、少し嫌やな。
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作者名:美夜 | 作成日時:2024年2月13日 0時