その先の未来 (ページ12)

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北人side

昨日、後輩ちゃんたちが話しているところをたまたま通りかかった。

すると、"吉野先輩の意見も聞かせて欲しいです！"と言われて半ば強引にその話に参加させられた。

内容は、付き合った人が実は重かったらどう思う？というもの。

＿＿

ﾓﾌﾞ1「私は度合いによるけど、重すぎたらちょっと嫌かな。でももう私もアラサーだし、結婚を考えたらやっぱ我慢するしかないのかなーって。」

ﾓﾌﾞ2「え、わかる！DVとかなら速攻別れるけど重たいだけなら我慢するかも。でも好きな人なら意外と我慢できる説はあるよね」

ﾓﾌﾞ3「でもそれってカレカノとしての関係性の場合でしょ？結婚とはまた別じゃん。」

ﾓﾌﾞ2「確かに。吉野先輩はどう思います？」

「え、俺？」

ﾓﾌﾞ1「吉野先輩は奥さんがもし重たくてもやっていけます？」

「...俺はAなら全然大丈夫だよ。だって好きになった人だし。」

ﾓﾌﾞ3「吉野先輩は愛妻家ですもんね！そりゃそうか〜。」

ﾓﾌﾞ1「でも重すぎたら嫌じゃないですか？」

「えー？例えば？」

ﾓﾌﾞ1「勝手に家から出ないで〜！とか、仕事中でも他の女の人と話さないで〜！とか言われたり、あと、愛情表現がちょっとズレてるとか。異様に噛んでくるみたいな？」

ﾓﾌﾞ2「あー、じゃれあいレベルじゃなくてってこと？」

ﾓﾌﾞ1「そうそう！血でてるじゃん！ってぐらい噛んでくるレベルの。で、吉野先輩はどうですか？」

「Aはそんなことしないからわかんないや(笑)俺、そろそろ行くね。みんなも午後の仕事頑張ってね」

「「「はーい！」」」

＿＿

これが昨日の一連の会話。

やっぱりAは俺との結婚生活から逃げ出したいのかな。

本当は嫌だって言いたいのかな。

俺はAを不幸にしてるだけなんじゃないのかな。

そんな考えが脳内を駆け巡って、ついにはAが泣きながら離婚して欲しいと主張する夢まで見た。

今朝はその夢のせいでAにキスするのも、首筋を噛むのも申し訳なくてできなかった。

いってらっしゃいのキスをしてくれたのは、いつものルーティンだから。

Aはきっとそう思ってるはずだ。

そう思ったら、いってきますなんて言えなかった。

Aを解放してあげたかった。

だから"じゃあね"と言った。

もう、Aから離れるよ。と言う意味を込めて。