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健太side
いつもの温もりが無くて目が覚めた。
Aがいない。
スマホを見ると、2:10と表示されていた。
こんな時間に隣にいないなんて珍しい。
なんとなく気になって部屋を出たけど、家の中は真っ暗。
それを見て思った。
ああ、また独りにさせちゃったな。って。
こういうときにAが行く場所は一つ。
ベランダだけ。
そこに向かえば、案の定Aがいた。
そっとドアを開ければ、驚いたようにこちらを振り向いた。
『...健、太』
Aの手から煙草を取り上げ、地面に押し付けて火を消した。
それからAの頬に手を添えて、そっと唇を重ねた。
「ごめん。独りにさせちゃったね。」
そう言うと、Aは首を左右に振った。
「ここじゃ寒いからさ、部屋戻ろ?」
『...うん』
手を引けば大人しく着いてくる。
だからきっと、本当は俺に聞いて欲しい何かに苦しめられてる。
だけど言えないから煙草を吸ったんでしょ?
そうやって聞いてもどうせAは、夜中だから起こしたくなかった、としか言わない。
だって前もそうだったから。
「おいで。」
ベッドに座って手を広げると、すぐに飛び込んできた。
「どうしたの?」
『なんでも、、ないの』
新婚当初を思い出す。
喉が渇いて夜中にリビングに行っている間にAは泣いていて、理由を聞けばこう言った。
"健太がまたいなくなっちゃったのかと思った"
と。
そのときだって最初は理由を話してくれず、なんでもない、と言うだけだった。
今の状況は、そのときと似ている。
「...怖い夢でも見た?」
『...ぅん』
「どんな夢だったのか、話せる?」
『......私、、、一人になった。けんた、、いなかった』
それを聞いて、大体理解した。
俺のせいでAはこうなってる。
きっと俺がAから離れる夢を見たんだと思う。
「話してくれてありがとう。寂しい思いさせちゃったね。ごめんね。」
『どこ、にも、、グスッ、、、いかないで、』
「行かないよ。俺はずっとここにいる。」
『グスッ、、ほん、、と、?』
「本当。俺、Aがいなきゃ生きていけない。」
『なら、、、証明、してくれる、?』
「もちろん。」
さっきよりも深いキスをして、俺らは深く甘い夜に溺れていった。
愛を確かめ合うために。
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作者名:美夜 | 作成日時:2024年2月13日 0時