マフラー RIKU ページ9
授業から解放された放課後。
今日は高校に入って初めてできた二つ年上の彼氏と初めてのデート。
彼の名前は笹橋くん。
同じ電車なのがきっかけであっちから話しかけてくれたのが始まり。
流石に三年生のフロアに行くのは気が引けるから玄関で待っていることにした。
けど、もう10分ほど経ってる。
いつもならなんとも思わないけど今は冬。
寒さで震えが止まらない。
早く来て欲しいな。
なんて考えていたとき、下駄箱の方から笹橋くんらしき声が聞こえた。
友達と盛り上がっているみたい。
モブ1「てか最近どうなのよ、Aちゃん?って子とは。」
笹橋「あー、あいつ?相変わらず舞い上がってるわ。頭ん中お花畑ですかって感じ(笑)」
モブ2「うっわ、可哀想(笑)もう寝た?」
笹橋「いや、まだだけど今日の放課後。あいつ顔と体だけはいいからな(笑)」
モブ1「最低すぎだろ(笑)」
、、、え?
どういうこと?
私のこと、遊びだったってこと?
あ、そっか。
だから下の名前呼び禁止だったんだ。
謎が解けた。
最悪。
あんなやつと付き合ってるなんて鳥肌がたってきた。
笹橋「あ、、、、。A、聞いて、、た?」
『もちろん(笑)笹橋くん、別れよ。そんな人だとは思ってなかった。もう二度と話しかけないでね。それじゃ、さようなら』
1秒でも速くこの場から離れたくてとりあえず部室へ走った。
今日は部活が休みだから丁度いいや。
今帰ってもあいつと同じ電車に乗る羽目になる。
一本遅らせようかな。
でも次の電車2時間後だし、なにしてようかな。
気を紛らわせようと色んなことを考えてみたけれど、どうにも涙が止まらない。
『私、あんなやつだとしてもちゃんと恋してたんだなぁ。』
ストーブをつける気にもなれなくて、ただひたすらに泣き続けた。
〔ガチャ〕
陸「寒っ!って、え?Aちゃん?」
『、、陸先輩』
陸「えーっと、どうしよ。あ、とりあえずこれ。風邪引いたら大変だから俺のでよければ。」
そう言って陸先輩のマフラーを巻いてくれた。
『ありがとうございます』
陸「それで...なにかあったの?」
『...笹橋くんと別れてきました(笑)』
陸「え?笹橋と付き合ってたの?!」
『はい。先々週付き合い始めたんです。でも、笹橋くんは遊び感覚だったみたいで(笑)』
自分で言って更に悲しくなって来た。
陸「....は?なにそれ」
113人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美夜 | 作成日時:2023年10月15日 22時