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壱馬side


いつもの偏頭痛やな。



見ていてすぐにそう気づいた。


教育係だった頃、『偏頭痛持ちなんです』とAちゃんが教えてくれた。



10分ほどして家に着いた。



Aちゃんを見るとしんどそうな顔で寝ていて、起こすのも可哀想やから横抱きにして家に入った。



こんなに辛そうなAちゃんを見たのは初めてで、今すぐにでも変わってあげたい、そう思った。




他の人にはこんなこと思わんけど、なんせAちゃんは俺の好きな人やから。



だからAちゃんだけは下の名前で呼んでるわけやし。



壱「ベッドでええか」



とりあえずベッドに寝かせてAちゃんが着れそうな小さめのスウェットを探した。



流石にスーツのまま寝たらしんどいやろうしシワにもなっちゃうから一度起こさな。




壱「Aちゃん。Aちゃーん。起きれるー?」




『ん、、、あれ、ごめんなさい。寝ちゃってました。』



壱「それは全然ええねんけど、一旦これに着替えれる?スーツやとしんどいやろ?」



『すいません。』



壱「全然。ちょっと大きいかもしらんけど我慢してな。俺後ろ向いとくから着替え終わったら呼んで」



『はい。』




そう言ってからしばらくして名前を呼ばれたから振り向くと、



壱「あれ、まだ着てなかったん?」



まだスーツのままだった。



『からだ、おもくてきれないです。ごめんなさい』



壱「そっかそっか。気づけんくてごめんな?ならどうしよか。スーツは流石にキツいもんな。」


『かわむらさんがいやでなければ、やってもらえませんか』


壱「俺はええけど、Aちゃんはそれでええ?」



もう喋るのもしんどいのか、首を縦に振って教えてくれた。



壱「わかった。なるべく見ないようにするから。」



なんとか上は着替えさせれたけど、下はどうしよう。



壱「Aちゃん、ズボンは自分で履ける?」




『むり、、』



これは相当やな。



壱「なら下も俺がやっちゃうけど、いい?」



『、うん』



太ももから上を布団で隠してなんとかスウェットのズボンを履かせることができた。



壱「よし、もう終わり。寝てええで」



『ありがと、、、ございます』



しばらくすると寝息が聞こえてきた。



起きるかはわからんけど、とりあえずご飯でも作ろうかな。

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作者名:美夜 | 作成日時:2023年10月15日 22時

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