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怪しまれないようにエレベーターに乗った。


やっちゃった。



これで同じタイミングで帰らなかったら不自然だよね。


頭痛薬飲むのも忘れちゃったしトイレに行くとでも言えばよかった。



川村さんにだけは傘も常備できていない部下だとは思われたくないからなんとかして先に帰ってもらわなきゃ。


あー、頭痛い。


早く帰りたい。


壱「..ちゃん?...ちゃん!Aちゃん!」




『あ、はい!なんですか?』




壱「なんかあったん?」



『へ?いえ、なにもないですけど』



川村さん、できれば今は話しかけないで下さい(泣)


壱「ほんまに?どこか具合でも悪いんとちゃう?顔色悪いで?」



『本当に何もないですってば(笑)』


結構やばいかも。



やっぱり薬飲もう。



壱「おーい、Aちゃん?一階着いたで?」



『あ、本当だ。すいません、気づきませんでした(笑)』



壱「俺ちょっとトイレ行ってくるからここ座って待っとって」


『あ、はい』



今のうちに飲んじゃおうかな。


そう思って鞄を漁ったけど薬が無い。



『あれ?おかしいな』



あ、、!この前同期の子にあげたのが最後だったんだ。




やらかした。


一度ソファーに沈んだ体は鉛のように重くて、もう動けそうにない。



薬は常に持ってたからこんなこと今までなくて完全に油断してた。




壱「ほら、やっぱり。どこか調子悪いんやろ?」


『川村さん、?』



あれ?川村さん、トイレに行ってからまだ1分も経ってないはずなのに。


壱「ごめん、トイレ行くふりして物陰からこっそり見てた。Aちゃん、誰がどう見ても顔色悪いで?家帰れそう?」




もう限界が来てしまって、思わず首を横に振った。




壱「やんな。なあ、今日はうちおいで?Aちゃんの家知らんからとりあえず。」



『...ありがと、ございます』



壱「タクシー呼ぶからちょっとだけ待ってな。」


『はい、、』







壱「もうすぐ来るから外行こ。Aちゃん、支えるからタクシー乗るまで頑張れる?」



『、いけます』




壱「偉いで。よし、行こか」



川村さんに支えてもらいながらなんとかタクシーに乗り込んだ。

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作者名:美夜 | 作成日時:2023年10月15日 22時

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