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悪天候 Kazuma.K ページ5

課長「この資料明日までに必要だからお願いね」


そう言って課長から頼まれた資料をまとめるために誰もいないオフィスに1人残る。


最悪。


今日はかなり帰りが遅くなりそうだな。



『なんで私がこんなことしなくちゃいけないのよ。』




壱「あれ、Aちゃん?」



『ぎゃっ!か、川村さん!驚かさないでくださいよ』



上司の川村さんの声が聞こえて思わず叫んでしまった。


この会社で私のことを下の名前呼びするのは川村さんだけ。



壱「別に驚かしてへんわ(笑)それより何してるん?」




『明日の会議で使う資料まとめてます』



壱「まだかかりそう?」



『はい。今さっき始めたばかりなので』




壱「そっか。頑張ってな」




『え?あ、はい!』



そう言って出て行った。



あれ?今のって流れ的に手伝ってくれる感じだったよね?



普通に寂しいんですけど!



仕方ないから早く終わらせようと手を動かして数分、


壱「わっ!」



『ぎゃーー!って、あれ?川村さん?』



突然背後から驚かされて振り向くとさっき帰ったはずの川村さんがいた。



壱「ふはっ、びびりすぎやろ(笑)はいこれあげる」



そう言って缶のココアをくれた。


私がコーヒーを飲めないことは元教育係の川村さんしか知らない。


『いいんですか?』



壱「もちろん」



『やったー!ありがとうございます!』



壱「それ半分貸して」



『いやいや、悪いですよそんな。せっかくお仕事終わったんですから私のことは気にしないでください!』




壱「ええから。早よ終わらせて帰らんとろくに寝られへんで?」




『すいません。ありがとうございます』



1時間後



壱「よし、終わった」



『あの、手伝ってくれてありがとうございました!』



壱「全然ええで。さっ、帰ろか。」


〔ゴロゴロゴロ ドーン!〕



帰る支度を始めたとき、突然雷の音が鳴ったと同時に雨の音が聞こえ始めた。



まじか。


家まで30分もかかるのに傘も無しで帰るのは流石に風邪引くよね。


普通に頭痛いし最悪。


近くにホテルなんてないし、びしょ濡れで帰るしかなさそうかな。



ひとまず川村さんが帰ってからオフィスを出よう。


『じゃあ、お疲れさまでした!また明日!』


壱「ん?帰らへんの?」


『あ、えっと、私はもう少ししたら帰ります』



壱「今帰ったらええやん。あ、もしかして傘忘れた?」



『あ、いえ!あります!』


壱「そ?ほんなら下まで行こ」

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作者名:美夜 | 作成日時:2023年10月15日 22時

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