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「おね、ちゃん」
『なあに？』
「だっこぉ、ｸﾞｽｯ」
『いいよ(笑)はい、おいで』
甘えたさんになってしまったみたい。
そんなことを考えていると、
「おねえちゃんはあのおにいちゃんのおよめさん？」
唐突にはるくんがそんな質問を投げかけて来た。
『ううん。はるくんにはそう見えるの？』
「うん。だけどね、ちがうならね、ぼくがおねえちゃんとけっこんしてあげる」
『ふふ、そうなの？ありがとう(笑)』
ごめんねはるくん。
私は北人以外の人と結婚する気はないかな。
なんて考えていると、
「はるくんだめだよ。お姉ちゃんはお兄ちゃんと結婚するんだから」
『北人？！』
北人がいつの間にか戻って来ていた。
その手には予想通り、風船が握られていた。
「えー、そっか」
「ごめんね。代わりにこれあげる」
「え？ふうせん！ありがとうおにいちゃん！」
「どういたしまして。せっかくだからこれ持って歩かない？」
「歩く！」
はるくんがそう言うからそっと地面に降ろした。
三人でお城付近まで歩いていくと、
「あ！ぱぱ！まま！」
はるくんのお父さんとお母さんが見つかった。
母「はるくん！どこいってたの！この風船は？」
父「はるま！」
一目散に駆けて行く姿は、年相応だ。
「あのおにいちゃんとおねえちゃんがね、さがしてくれた！おにいちゃんがね、ふうせんくれた！」
母「そうなの？あの、本当にありがとうございます！」
父「ありがとうございます！はるまが無事なのはお二人のおかげです！」
『そんなそんな！私たちはなにも』
「そうですよ！はるくんが無事でなによりです！」
母「風船まで買っていただいたみたいで、すみません。お金はお支払いします！おいくらですか？」
「お金なんていいですよ。それより、ご迷惑でないですか？これからパーク内を歩くのに邪魔になったりしたらごめんなさい」
母「邪魔だなんてとんでもない！あの、やっぱり支払わせてください！」
「本当にいいんです！はるくんが笑顔になってくれたならそれで十分です。」
母「本当にありがとうございます！」
父「もう感謝してもしきれないです。本当にありがとうございます！」
「いえいえ、全然いいんですよ。それじゃ、僕らはこれで。」
『はるくん、バイバイ！』
「ばいばい！」
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作者名：美夜 | 作成日時：2023年10月15日 22時
