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嫉妬深すぎる君も好き Hokuto.Y ページ36

今日は北人と二人で某夢の国デート。




お揃いのカチューシャをつけていつも通り手を繋いで歩いていると、小さな男の子が泣きながら座っていた。





きっと迷子なのだろう。




放っておくわけにもいかずその子に近づいた。




『お兄ちゃん、どうしたの?迷子?』



 「ん、グスッ、、まま、と、ぱぱが、、いなぃ、グスッ」



『そっかそっか。じゃあ、お姉ちゃんたちと一緒に探そっか』




 「ぅん」




夢の国には迷子センターというものはないから、男の子本人に探してもらうしかない。




だから一緒に探すことにした。





『北人、いいよね?』



「もちろん。ねえねえ、お名前なんていうの?」



 「グスッ、は、はるま」



「へー、かっこいい名前じゃん。」



 「へへ、はるくんかっこいい?」



「うん。かっこいいよ(笑)さ、かっこいいはるくん!一緒にパパとママを探しに行こう!」




 「うん!」



北人は私よりも子供と関わるのが上手で、そういうところもすごく尊敬してる。




『はるくん、どの辺ではぐれちゃったの?』




 「えっとね、えっと、お城ではぐれちゃったの」




『お城?』




お城はここから少し距離がある。




結構離れちゃったんだ。




「ねえはるくん、どうしてはぐれちゃったの?」




 「だってね、グスッ、、グスッ、ふうせんもってるひとがいてね、グスッ、、いいなってなったの」




『?』



ダメだ。




私には全然理解できない。




だけど北人は、



「風船欲しかったの?」




 「グスッ、、うん、、ま、ま、、あいたい、グスッ、」



はるくんの言葉の意味を正確に理解していた。


はるくんは思い出して悲しくなったのか、また泣き出してしまった。



「はるくん、ちょっとお姉ちゃんと待ってて。すぐ戻って来るから。」




 「?うん」




『どこ行くの?』




「ちょっとそこまで。少しの間はるくんのこと見ててもらってもいい?」




『任せて。すぐ戻って来てね?早くはるくんの親御さん探さないとだし。』




「うん。20秒で戻って来るね」



『ふふっ、そんなに早いんだ(笑)わかった。待ってるね』




「ありがとう」




そう言って向こう側に走って行った。





あくまでも私の予想だけど、きっと北人は風船を買いに行ったんだと思う。




高一のときから6年間付き合ってるわけだし、北人の考えてることも大体わかるようになって来たから。

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作者名:美夜 | 作成日時:2023年10月15日 22時

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