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『...ん、、あれ？』
目が覚めると、見慣れた天井が視界に入った。
どうして？
公園にいたはずなのにどうして家にいるの？
ふと横を向くと、いつものように翔ちゃんが隣で寝てた。
そっか。
翔ちゃんに見つかったんや。
逃げなくちゃ。
翔ちゃんを起こさないようにそっとベッドから抜け出した瞬間、自分の身体が妙に怠いことに気がついた。
頭もぼーっとするし、風邪でも引いたかな。
でも、今はそんなことどうでもいい。
翔ちゃんをこれ以上好きにならないために、私自身が傷付かずに済むように、この家を出ないと。
ふらつく足に力を入れてなんとか歩き出そうしたとき、
背後から声が聞こえた。
翔「Aちゃん。」
『ｯｯ！し、翔ちゃん...』
翔「どこ行くつもり？」
『...』
翔「Aちゃん。」
『...お願いやから、もう話しかけんといて』
ごめん翔ちゃん。
こんな言い方、ないよね。
だけど許して。
こうでもしないと私の決意が揺らぎそうやから。
翔「Aちゃん、こっち来て」
聞こえないふりをして足を一歩前に出した瞬間、
『わっ！』
翔「来てって言ってるやん」
突然引っ張られてベッドに倒れ込んだ。
いや、正確には翔ちゃんの腕の中に。
『いやや！離して！翔ちゃん！』
翔「離すわけないやろ！俺がどれだけ心配やったかAちゃんにわかる？なあ。大事な人が急にどっか行って、どれだけ怖かったかわかる？」
大事な人？
翔ちゃんにとっての大事は、姉弟としての大事やろ？
私の大事は違う。
もうこれ以上、苦しい思いはしたくない。
『...翔ちゃんのそういうところ、ｯ、、嫌いや。』
翔「Aちゃん。俺、嘘は嫌いやで」
『へ？う、嘘なんか..』
翔「ならなんで、そんな泣きそうな顔してるん。」
『ｯｯｯ、！ しょ、、ちゃ、ん、、』
翔「ほら、おいで？」
結局、いつものように翔ちゃんの温もりに縋ってしまう。
そんな自分が大嫌いや。
翔「Aちゃんと俺は血が繋がってないんやな。ごめんな？今までAちゃんだけにこんな大事なこと抱え込ませて」
『誰から、、、そんなこと、』
翔「ばあちゃんから聞いた。それと、Aちゃんが俺こと好きなことも」
『ｯｯｯ！...ごめん』
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作者名：美夜 | 作成日時：2023年10月15日 22時
