あなたが側に (ページ19)

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Aside

私が16歳になったあの日、両親から私は家族みんなと血が繋がっていないことを知らされた。

だけど別に、自分が不幸な子やと感じたことはない。

岩谷家の一員になれてほんまに幸せやし、本当の家族やと思ってる。

この家族以外のことを家族と言うつもりもない。

ただやっぱり、翔ちゃんが実の弟やないということを知って混乱した。

だって、当時の私は翔ちゃんのことを1人の男の人として好きになってしまっていたから。

姉弟やから好きになったらあかん。

そう思って誤魔化してきたのに、急に気持ちが揺らいだ。

血のつながりがないのなら、もしかしたらチャンスがあるかもしれない。

そう思ってしまった自分が気持ち悪くて、こんなことを考えてしまう私をお姉ちゃんなんて呼ばせてはいけない。

そう思った。

だから誕生日の次の日から、私のことをお姉ちゃんと呼ばないようにお願いした。

でも、今になってそのことを後悔してる。

翔ちゃんが私のことを
"Aちゃん"
と呼ぶたびに胸が苦しくなって、結果として自分をさらに苦しめることになったから。

もう何が正解なのかわからない。

いっそのこと、逃げてしまおうか。

姉弟という関係は変えることができんくても、翔ちゃんから離れることはできる。

これ以上翔ちゃんを縛りつけてしまわぬように、
翔ちゃんが眠りについたあとでこの家を出ることを決めた。

今日が最後の夜になる。

これで最後にするから、今夜はどうか離れないで。

『翔ちゃん...側にいてくれて、ありがとう』

翔「うん。これから先もずっと、Aちゃんの側には俺がおるから。」

『...頼もしい弟を持ったなぁ(笑)』

翔「Aちゃんやって俺の自慢やで(笑)こんなに素敵な女の子、他に見たことないわ」

『ｯ、、嬉しいこと言うやん(笑)』

翔「ふはっ、今照れたやろ(笑)可愛ええ」

最後にそんなこと言われたら離れたくなくなるやんか。