Ghost！【ヒロアカ】 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:345 hit

プロローグページ2

物心ついた頃から親はいなかった。

記憶が無いので何故かは分からない。
けれどもその時は、弟の泣き声と、ただただ虚しさだけが残っていた事だけはしっかり覚えている。そこで唯一共にいた弟とその後通りすがった男女に拾われ、愛情を注がれ、ここまで育て上げられてきた。

それも今日まで。

物音が酷い夜だった。
ふと目を覚ました時、目前は血の海。人ならぬ人の肉塊が無様に散らかされ、壁や天井にはありえないほどの血痕が飛び散っている。

これがあの人達のものだと、弟のものだと理解するにはそこまで時間がかからなかった。ただただその場に立ち尽くして、心にぽっかりと穴が空いた気分で。

その日から僕は変わっていったんだと思う。

弟のことが好きだった。
一番一緒に長い時を過ごしていたから。本当に好きだった。だからだろうか。

弟の口調を真似て、
弟の服装を真似て、
弟の性格を真似て、
弟の仕草を真似て、
弟の趣味を真似て、

そう挙げだしたらキリがないくらいに。
キリがないくらいに、真似した。
取り繕った。それ程失いたくないものだったから、僕がなってあげようと思ったんだ。

....... おかしくないでしょ？