07.案内 ページ9
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「いらっしゃいませ〜！」
「何名様でしょうか？」
「こちらのお席いかがでしょうか？」
ランチタイムに入り、店内は常連客やサラリーマンで満席になるほどいっぱいだ。
私はホール案内ポジ。レジ業務の櫻井さんの案内指示に従いながらお客様を一人一人、誘導する役目だ。
一人入るとまた一人と、流れが止まらなくなっていく。
ランチメニューは数少なく、1番人気が「500円定番ランチ」。
それに加えて、新メニューもある。
コーヒー店なのにサイドメニューが充実してるってものでうちの店は大人気。
あれやこれやと作業をしていると裏から声がかかった。
橋本「一知乃ちゃん！ポジチェンジ！」
「セッティングポジ入って〜っ？！」
「有咲さんと場所チェンジ！」
「か、かしこまりましたーっ！」
櫻井「…」
ポジション担当の方と交代する事になったけれど、そこは数回、しかも少ししか教わっていない所に入る。
「ごめんね」と、「教えなきゃだから任せるね」などなんとも強引に突き放す形になって
橋本先輩が色々説明してくれてるけど分かんないし。
「え〜〜ぇっと、？」
目線の先には注文された用紙でズラーッと並ばれていた。
どれから、手をつければいいか頭の中でパニクってると
櫻井「とりあえずサラダ10、ドレッシング10だして」
「は、はいっ」
橋本「さくらくん！レジは？！」
櫻井「あの人がやってくれてますんで」
橋本「大丈夫なの？！一知乃ちゃん教えられる？」
櫻井「大丈夫です」
橋本「じゃあ、順番にだしてくからさくらくんの指示に従ってね」
「あ、はい！」
櫻井「大丈夫、うまくいくから」
「よ、よろしくお願いします」
今日のランチはいつもより忙しくて
でも、たぶんこれが初めて
櫻井さんの優しさに少しドキッとしたのは
きっと、言葉のせいだ。
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作者名：あからい | 作成日時：2019年1月10日 18時
