23.熱のせい･･･【S】 ページ26
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休憩が終わり、部屋に戻れば彼女の姿はなく、
仕事に入ったんだと思い、俺も仕事に入る。
店内は、ランチ時間が終わった為、落ち着いていた。
さっき休憩に行っていた彼女と目が合う。
なんだか、とても眠そうだった。
さっき寝ている姿をみたから余計に感じたのかもしれないが、目元が辛そうだった。
目が合うと、「お疲れ様です」と一言。
「…大丈夫？」
A「ちょっと、眠気が凄くて」
「…顔、赤い」
A「っえ？ちょっと」
「動かないで、何もしないから」
A「う…っ、」
俺は、彼女の様態がおかしい事に感づいて、近づく俺を避ける腕を掴み抵抗ないようにして、自分のおでこを彼女のおでこにくっつけた。
俺の行動に彼女はもちろん、他の人達も驚いていた。周りの目なんて行動が先に出ていて、気にしてられなかった。
顔をみれば分かるが、結構熱かった。
「熱いな…。だいぶ上がってる」
A「そ、それは櫻井さんのせい」
「何言ってんの？さっき寝てたのこれが(熱)原因？」
A「さ、さっき？！って、みてたんですか…」
「寝顔はみてないけど。そんな辛いなら今日帰った方がいい」
A「でも…。休憩貰ったばっかですし」
笹倉「ちょっと、やっぱり体調悪かったの？！」
「え…？」
笹倉「休憩からあがる時、凄く辛そうで声かけたんだけど大丈夫だって言われちゃって」
「…そうなの」 A「す、すみません…。」
橋本「言われてみれば、朝から眠そうにはしてたよね」
笹倉「そうね。Aちゃん、熱が悪化する前に、今日はもうあがっていいよ？」
A「で、でも！私」
「大丈夫。みんないるから」
A「櫻井さん…。」
笹倉「ほーら、今日は甘えてゆっくりしなさい」
A「すみません…。ありがとうございます」
熱っていうのは厄介者で。
こうして後からでてくる事もある。
自分自身じゃ気づかない時だってあるから。
少しは彼女の力になれたのかな…。なんて。
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作者名：あからい | 作成日時：2019年1月10日 18時
