不思議の国の５色の虹【ars】 (ページ29)

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ここからは少し離れているが、傷害事件があり、写真の人物が容疑者との事
状況証拠で容疑者にされてしまった、だがアリバイを主張している

その内容が、

「工事現場の近くにいた、って事だけ」

「……随分曖昧ですね」

それがどこなのか分からないが、おそらくこの近くで
これまたおそらく、道路沿いだった
という、なんとも曖昧すぎる内容

どうやらその人物はその時かなり酔っていたらしい
それでもだいたいの時間は覚えていた、と

「あと、これが一つ貴重かもしれない手掛かり」

「何です？」

深山サンは珈琲に口をつけ、スグに顔をしかめた
するとリュックから何かを取り出す
……小分けにしてある何かを一つ手に取ると、それを珈琲に入れ、また飲んで満足そうにした

「何ですか、ソレ」

訝しげに聞くと、俺の珈琲にもソレを入れてきた

「え、」

「飲んでみて」

よく分からないけど、言われた通りに飲んでみると
味が格段に良くなっていた

「ちょっとしたスパイス」

………成程。絶対味覚か？

「で、手掛かりっていうのは？」

「あぁ。そこの工事現場に、凄いイケメンがいたらしい」

「…………は？」

「それも二人」

…………………、

「え、何ですかその証言」

「かなり目を惹く存在だったそうでね。記憶に凄く残ってるって」

んな馬鹿みたいな証言、本気で信じてるのか？この人

「ちなみに、片方が現場の格好をしていて。もう片方は黒っぽい服装。仲がいいみたいで二人で会話していた、と」

…………………ん？

「………ちなみに君もかなりのイケメンくんだよね？」

……もしかして、

「それって…、日にちと時間は、、、」