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晩メシの後にカズが
「あ、さっきの！なに？」
と、思い出したから
サトシくんも「なになに？」と
「ん。ちょっと……」
一応肩まわして
伸びをして……
「カズ、こっち」
「ん？」
「すぐ掴まれよ」
「え、…うお！」
「おー」
少し屈んで左腕を膝裏に入れて
そのまま腕に座らせるようにして素早く抱き上げた
体重が俺にかかるようにして
んな1発で出来るなんて思ってないから
横抱きってよりも、
なるべく正面から俺に掴まれるようにして
右腕も背中に回して添えて、
「……やっぱ軽くね？」
「ショーくん、無駄筋卒業？」
「っていうより、カズが軽いんだと思うわ。あと無駄筋って言うのやめて傷付くから」
それでも片腕はちょい辛いかもな
「カズ、ごめん。驚かせたな」
俺の首に腕巻き付けて
肩に顔埋めて、完全に動きを止めてるから
何も言わずにいきなり抱き上げたのは流石に反省ものだわ
俺がやられたらぶん殴ってるな、うん
背中を優しくぽんぽんと叩きながら
「カズ、ごめん。先に言えばよかった」
そのままソファに座って
背中叩いて
いつもみたいに頭、撫でてると
「……ショ、ちゃ、」
「ごめん。驚かせたな」
サトシくんはキッチンに行って
きっと、落ち着くようにお茶でも準備してくれてるかも
「…っくり、した……けど、」
「ん？」
腕の力が少し強くなったから
落ち着くように、ゆっくり返事をすると
「……やっぱり、ずるい……」
「……へ？」
え？ずるい？何が？？
言われた事の意味がよく分からなくて
「カズ？」と呼びかけると
さっきより強く、ギューッと力が入って
「……この、無自覚イケメン……」
「は？」
「明日アイス奢れ！」
「ちょ、分かったから顎肉つまむのやめてその体勢で的確だぞ？！」
「太ってないかのチェックだ！」
「はいはい。お茶淹れたから」
「あ、ありがと。カズ、降りるか？」
「……………や、」
顔は見せてくれないけど
少し見えた耳は赤くなってて
それはサトシくんも見えたみたいで
2人で顔を見合わせて微笑んだ
さて
姫が顔見せてくれるまで
お茶はお預けだな
*
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作者名：櫻華
| 作成日時：2018年11月6日 5時
