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お揃いの麦わら帽子被って
俺はパラソル
カズは水筒とシート
あと薄めの本が入ってる小さなバスケット持って
手を繋いでうちへ
時間的に夕方だけど、まだ太陽はちょい高いとこにあるな
「そういえばクラゲ、少し出てきてたよ」
「マジか。夏が終わるって感じだな」
カズ達人魚は、大抵の海の生物の毒に耐性があるとの事
刺されすぎたら体調に影響が出るが
そもそもその前によけれる、って
ま。そりゃそうだ
「もうちょいしたら、ひまわり畑、行くか」
「うん！種、取る」
「アサガオももうすぐだな」
「元気なくなってきたもんね…」
隣を見ると、少ししょんぼりしてるのが分かったから
「カズ」
「…ん？」
「来年も植えような」
普通に繋いでいた手を少し緩めて
指を絡ませて繋ぎ直せば
「う、…ぅ、ん…///」
「慣れないか？」
さっきカズに言われたように聞くと
指に少し力が入った
「……ショウちゃん、ずるい」
「ん？…それをいうならカズもだと思うけどなぁ」
「ショウちゃんだもん！たらし！」
「またかよ！？」
赤くなってる頬を膨らませてるけど
手は絶対離さないよな
初めの頃は軽くだけど逃げようとするから、捕まえて
するとピタっと止まって
ちゃんと傍にいてくれるから
それが、可愛くて。愛しくて
「……………」
「ん？」
赤みが引いたけど、まだ少し頬を膨らませて
俺をジッと見てくるから、何かと思ったら
「……や、だから…」
「へ？」
「〜〜〜ッ、…俺以外にはッ……や、だから…」
段々声が小さくなって
また俯いたから
「カズ」
「………ん、」
「こうやって手、繋ぐにしても。お前以外、誰とするんだよ」
「………ん、///」
今度は俺から指に少し力入れながら言うと
小さく返事をして
こくん、と頷く
んー……両手がふさがってるのがなぁ
「……流石に片腕では難しいか」
「……ん？」
「いや。やってみよう」
「……なにを？」
今度はキョトンとして見てくるから
そのくるくる変わる表情も
コイツの可愛いとこだよな
「戻ったらな」
「ん？」
海岸から家までは近いけど
ゆっくりめに歩いていたから、ようやく見えてきた
「ねぇ、なんなの？」
「帰ったらな」
「えー」
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作者名：櫻華
| 作成日時：2018年11月6日 5時
