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休憩時間に入った時にニノからのメール
中身を確認して、この後の予定を確認して
『まだ少しかかるけど、終わり次第行く』と返信した
思っていたより早く終わって
ニノの自宅に向かう途中、思い出す
無意識に渡していた、ニノ専用のマグカップ
テレビ台の中にあるゲーム機も
伏せてあったフォトフレームも…
リビングだけでも分かる、彼の痕跡…
そして…
「合鍵…ずっと、持ってるんだ……」
移動中に、向かっていると送ったメールの返信は
『分かりました』の一文
着いて、マネにお礼言って降りようとしたら
「櫻井さん」と呼び止められ
…数ヶ月前、松潤の家へ行った時と同じ言葉を受け取った
「大丈夫。……大丈夫な、気がするから」
そう告げて、今度こそ降りる
着いた、とメールを送っても返信は無く
インターホンを鳴らしても応答無し
思わず、小さな溜息が出てしまうのは致し方ないだろう
けど、それと同時に出た小さな苦笑い
鞄から合鍵を取り出して、ロックを開けて中に
エレベーターに乗って目的階のボタンを押し
ドア前で、少し躊躇していると…
「お疲れ様です。晩飯は？」
「そう言えば食ってなかったわ」
「なら、オムライスでも作りますよ。挽肉が中途半端に残ってたんで、ミニハンバーグ付きで」
そう言って、ドアを開けっ放しで廊下を歩く彼を追った
、
「あの時の告白も同時だったよねー」
「だなー」
、
飯食ってる時に、丁度かかった俺らのレギュラー番組
それに対して
自画自賛したり、メンバーを褒めたり、ダメ出ししたり
そこに流れていたのは、二年前からの一年間
『付き合って』いた時の空気と殆ど同じで…
食い終わって
当たり前の様に、食器洗いを手伝って
食後の珈琲として受け取ったのは、俺専用のマグカップ
…気付いていた
テレビ台の中にある、
俺が置いていったお気に入りのDVD数本
昨日の…。俺の合鍵を持っていた事
珈琲を一口啜って
同じソファに座っているけど、人一人分開いたこの距離を
……壊して、いいと
カップをローテーブルに置くタイミングが一緒で
それにお互い、少しの笑いが出て
「「あのさ」」
重なったそれに驚きと笑いが混じり
「「好きです」」
それは
『もう一度』の、始まりの言葉
、
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作者名：櫻華
| 作成日時：2018年10月12日 23時
