Clumsy【ars】 (ページ35)

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「…………………………と、いう出来事がありましたなぁ」

「ましたねぇ」

「そうっすねぇ」

持っているビールジョッキをあおる三人

てかさ……

「それさー。もうほんと勘弁してよぉ」

相葉さんが項垂れながら返す

俺もそれには同意見だ
けど、…

「もー、松潤もなんか言ってよー」

「毎回言ってるけどな。俺、言えると思うか？」

そう言って、俺もジョッキをあおると
前方から、視線

見ると、俺の向かいに座っているニノがニヤニヤしてる

「潤くんさー。ほーんと、真面目って言うか不器用って言うか」

「うっせ」

くふくふ笑いながら、

「だってそうじゃん。何年前の話よ」

「まぁ、…そうだけど」

翔さんとニノが『最初』に付き合い始めたのは、
二人がダブル主演したドラマの少し後

『別れた』のは、その約一年後

それから数ヶ月後、皆で話して…

「けどさ。その後の。潤と雅紀のおかげってのもあるだろ？」

「あー…あれねー…」

翔さんの言葉にその時の事を思い出したのか
今度はニノの歯切れが悪くなる

翔さんも今、サラッと言ったけど
苦笑気味に

「あん時はさ、ありがと。二人共」

「メンバーでいる」と、言った二人

それと同時に「先は分からない」と、言った二人

あの数ヶ月の間に流れていた二人の空気は
その後ゆっくりではあるけど確実に変わっていった

それを感じた時
改めて『普通』を一生懸命演じていたのだと痛感した

それから数ヶ月後

俺と相葉さんは、また違ったイライラ…というか
もどかしさの中にいた

けど、…それを言っていいのか。態度に出していいのか。行動していいのか

やっぱり、臆病になっていた

そんな時
それまで何も言わずにいたリーダーが

『お節介も必要かなー？』

と、言った

その言葉が、俺達の背中を押してくれた

「けどさ。いきなり過ぎんだよな、二人共」

「いいじゃんよー。だってリーダーの言葉で決めれたんだからー。ねー松潤」

「まぁ…ああいう勢いもいっかなぁ、と」

丁度、ってわけでも無いけど
その年は、俺達にとって節目の年だった

二人がどう考えているかは分からない
俺達がする事は見当違いで、
また傷付けてしまうかもしれない

けど、これも一つのキッカケだと思った

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