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仕事が終わって、家に帰って来て
投げ出す様に荷物を置いて、ソファに座る
それから特に何をする訳でも無く
無意味に時間が過ぎるのを待つこの行為を
俺は、いつまで続けるんだろう
……納得はした。決断はした
それは、生半可なものでは無い
話した時間は確かに短かったと思う
その中で発した言葉も少なかったと思う
けど、…
あの時出した一つの『決断』は…
「…我儘、言えばよかったのかな。言い返せば、よかったのかな」
何度も思って
その度に振り払ってきた
『もしも』なんて…無いんだ
部屋を見渡せば、未練なんて…いくらでもある
元には戻らなかった
それも覚悟していた
それでも、少なくとも俺は…俺達は
『元に』戻そうとした
けど、そうすれば…そう思えば…
それに比例して空気は戻る所か、
少しずつ悪くなっていってる
ふらふらと寝室に行き
チェストの上に置いてあるものを手に取る
見えない様に。見ない様に伏せていたこれを見るのは
いつぶりかな？
片付ける意気地なんて無く…
「駄目だよなぁ…。偉そうな事、言えないや」
潤くんに言った事は、俺の本音の断片。一部分
片方が「嫌だ」と
それこそ、泣いて縋って…
何の想いをぶつけられても
何を言われようと
そんなの、そちらの勝手で
俺達には関係が無い事だと、
割り切れればどんなに楽だっただろう
それを…その気持ちを。想いを
ずっと抱えてきて
それを俺達に向けてきたのが、あの人達なんだよ？
「関係無い」で突っぱねる事が…
出来ない相手だったんだよ…
それを「それだけの気持ち」なのかと言われたのは
例え勢いでも何でも…許せなかった
それと同時に、哀しくもなった
だって…
どう映ってたかは知らない。分からない
それこそその人達の捉え方だ
でも…
俺は、俺達は…
「……それだけ、大きな気持ちが。想いが、あったんだよ」
写真の中で笑っている二人を見るのが、
こんなに切ないのに
それでも、手放す事なんて…出来る訳が無い
気付いたら手に持っているキーケースの中身を想うと
尚更……
…翔さん。……翔ちゃん
俺、やっぱり…前みたいに、貴方と笑っていたい
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作者名：櫻華
| 作成日時：2018年10月12日 23時
