＿＿6 ページ35
小さく絞り出す様に言った言葉に
表情を変えずに言われて
なんで？
俺、なにかした？
それとも、……なにも出来ないから……？
掃除と洗濯はかろうじて出来るけど
料理は壊滅的に出来なくて
『俺がやるからさ。翔くんは翔くんが出来る事、お願い』
って、優しい言葉に……甘え過ぎてたから……？
ほんとは面倒だった？
何も出来ない俺に呆れた？
今まで我慢してたけど限界だった……？
「え、あ、！」
「………へ？」
さっきまでとは違って、凄く焦った表情になったから
一体どうしたのかと思ったら……
「………え、？」
「…ごめん」
目の前が暗くなったと思ったら
それと同時になんかあったかくなったのと
背中をぽんぽん、って優しく叩かれる感触
「ごめん。言い方が悪かった」
「……いい、かた…？」
「うん」
自分が泣いてる事に気付いて
背を叩くこの人の………智くんの優しいリズムが
安心すると同時に、
………悲しくなる
「やめようってのは、『ルームシェア』って言い方、やめよっか。って事」
「………ど、ゆ…」
俺から身体を離した智くんは
椅子に座っていた俺の目線と同じになる様にしゃがんで
「『ルームメイト』じゃなくて、『恋人』になって下さい」
「……………は、？」
何を言われたのか理解出来なくて
ただマヌケな声が出た
「だってさ。翔くん、ルームシェアって呼び方が引っかかってたんでしょ？」
「………ど、して……」
どうしてそれ、…知ってるの……？
「頭固いんだから、昔っから」
「………わか、てる…」
「ルームメイトっていう『他人』じゃなくて。『同棲』っていう『恋人同士』になろ？」
「………さと、く……は、…」
「色んな順番おかしくしちゃったけど。俺、ずっと前から翔くんが好きなの」
「………ず、と……？」
「そ。もー、さー。俺、よく今まで我慢したわー…」
また抱き締められて
大きな溜め息が聞こえたから、何かと思ったら
「………にっぶ」
「………は？…んっ、」
一瞬だったけど、唇に何かが触れた感触と温もり
そして目の前にはいたずらっ子みたいに笑う貴方
それを見ていたら
色んな疑問を考えるより先に
いつの間にか大好きになっていた人と
一緒に笑いあった
:
:
:
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 434人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：櫻華
| 作成日時：2018年10月12日 8時
