3 優しい人じゃないんでね ページ3
それは個性把握テストが終わってすぐ、私が帰ろうと踵を返したときだった。
「おい香取、お前個性もっと使えただろ。それにお前なら身体能力も高いはずだ」
後ろを振り向くと香取を凝視、というか睨んでいる人物が1人。香取を引き止めたのは担任の相澤だった。彼の瞳はしっかりとAを捉えて離さない。まるで逃げるんじゃねえぞと言ってる様で、居心地のいいものではなかった。
「…だって入学初日から運動させられるなんて聞いてない。個性把握テスト如きで夢中になれるほど、私は出来た人間じゃない。」
みんなが皆んな、何にでも向上心があって全力で取り組めるなんて、そんな風には思わないで欲しい。
「こんな記録録ったところで、何も変わらないっつーの。これから競い合う相手に自分の全力を見せびらかす程、私は優しい人間じゃ無いんでね。全力でやるだけ損だわ。」
相澤は香取Aという人物に対して頭を抱える。
まともに使えばどんな種目にも適応する個性、それに入試の時に確認済みの俺をも認めさせた身体能力。
しかし何だコイツは。高圧的な性格の癖にプライドがまるで感じられん。今まで担当したヒーローを志す生徒達にはいなかったタイプ。トップを狙うというやる気がまるで感じられない。
少なくとも“オレの知っている”香取Aというのは、負けず嫌いの勝ちにこだわった奴だった筈だ。
〈やはりあの時何かあったな〉
今年は厄介な年になりそうだと相澤は頭を抱えた。
1年A組個性把握テスト
16位 香取A
ー3 優しい人じゃないんでねー
ーー
相澤の知ってる香取Aと言う存在の意味や、あの時のことはこれからの話で出てくる予定です
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凍ったライム(プロフ) - この作品面白くて大好きです。あと、三奈ちゃんの苗字、葦戸ではなく芦戸です (2021年8月22日 0時) (
レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 5話にて轟焦凍が焦人になってますよ (2021年8月11日 23時) (レス) id: 5f555724c2 (このIDを非表示/違反報告)
来世は天海くんと最原くんのかれぴになりたい - 夢主ちゃんの何をしても報われない感好きです。大☆好☆物☆ (2021年8月3日 20時) (レス) id: 06f475297c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちふれれ | 作成日時：2021年7月18日 22時
