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どっかい ページ9

「クソっ……」

放課後、ドスドスと足音を立てて帰っていった光をAが追う。

「光、ひーかーりー、ひーかーり、ひかりー!」
「うるせぇっ!着いてくんじゃねぇよ!」
「歩幅くらい合わせてよ。追い付けないって」
「マイペースすぎんだろ、がっ!」
「ちょ、逃げるなあー!」

Aを撒こうと走る光に、走る光を追い回すA。しかしAは体力に自信アリな運動神経抜群の少女だ。Aの手により光は呆気なく捕まってしまい、また光は、そんな自分の姿が先程の体育の時と重なってしまい悔しい思いで満ちていた。光の表情を見たAが、思わず一言。

「た、沢山努力すれば光、もっと足速くなるよ。Aが言うんだから」
「……Aおまえフォロード下手くそかっての」
「練習も付き合うよ!フッフッフッ、A秘伝の特訓ノートを解放する時が再び来るとは……」
「マジで練習するつもりかよ………」
「心の友の光くんの頼みとあればね!」
「頼んでねぇよ!話聞け!」

「あれー?光にA」

光の拳がAの頭に向かう寸前で二人の名前を呼ぶ声が辺りに軽快に響いた。陸の販売店・サヤマートで働く、光の姉である先島あかりだ。

「あかり!」
「Aちゃんまた光にいじめられてたのね〜」
「いじめられたのはこっちだよ」
「今日も今日とて可愛がってもらってまーす」
「で、どうしたの他の三人は」

Aは「察して〜」と口パクで話す。「行きも帰りも一緒なんて子供じゃねーんだよ」空気を読まず、突っぱねるよう光が告げれば、あかりの鼻鷲掴みが光に炸裂した。光景の痛々しさにAも思わず同箇所を抑える。

「あっはー子供がよく言うよ」
「っるせえ!………あ?」

唖然とした声が光から漏れる。Aとあかりが光の目線の先を追えば、二人の女子小学生がお店の裏に潜んでいる。視線に気付くと、彼女たちは一目散に逃げ出した。

「あーまたやられたかな」
「やられたって?」
「………なにこれ、ガム文字?」

『どっかい』食用のガムで作られかけた文字がそこにはあった。

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(プロフ) - 続きが気になります。更新待ってます。 (1月20日 22時) (レス) id: 080f4a0e49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パスカル | 作成日時:2021年8月11日 15時

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