検索窓
今日:9 hit、昨日:5 hit、合計:3,523 hit

似合う ページ3

「もう、光!」

光があまりに熱心にまなかの肩を揺らすものだから、流石にちさきのストップが間に入る。

「あ〜あ」
「朝からテンション高すぎだよ」

傍観者を貫くAと要は呆れ顔だ。味方無しのこの状況では、光の苛立ちは増していくばかりだろう。

「や、やっぱ着替えてくるよっ……!」
「最初からそうしろっての!」
「もう怒鳴っちゃやだよ〜……」

まなかは制服を着替えるべく、いち早く帰路へと走り出した。

「行こうぜ」
「でも………」
「いいから!」

そのまなかの背中を見届けもせず、光は学校へ向かおうと歩き始める。

「はあ………仕方ないなあ光は」
「………」

光とすぐ肩を並べ歩き始めたA。そして、そのAとは対象的に、ちさきと要の態度からは納得のいかない感情が窺えた。転校初日にして、雲行きは怪しい。

「………あ、ちょっと思ってたんだけど。濱中の制服、まなかが着たらすっごく可愛いと思うんだよね」

そう言ってAが笑みを向けた先に光はいなかった。

「ッッッッ………!!」
「っくっ……ふふ……」

Aが不思議に思い後ろを向いてみると、光は盛大に転けていた。海の中だからそこまで痛くないだろうと心配はしていない。ちなみに、それを後ろで目撃した要は思わず吹き出していたり。

「ッAおまえッ………!!喧嘩売ってんのか!!」
「はい怒らない怒らない。でもジョーダンじゃないよ?まなかだけじゃない。ちさきも、光も。要も………皆きっと似合うだろうなあ」

爽やかな波路中学の制服と見比べてみて、美濱中学の制服は上品さがよく目立つ。そんな美濱中学の制服を着た幼馴染たちを思い浮かべて……「嘘。やっぱり皆は波中の方がいい」そう言ってAは小さく笑った。

「………分かってんじゃん」
「うん、だからありがとね光。なんだかんだAはこっちのが好きだからさ」


(「…………ああでも!濱中の制服着た光に『馬子にも衣装』って言いたかったな〜!ちょっと悔しい!」)
(「おま、やっぱり喧嘩売ってんじゃねぇか!」)

運命→←波中魂



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
13人がお気に入り
設定タグ:凪のあすから
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 続きが気になります。更新待ってます。 (1月20日 22時) (レス) id: 080f4a0e49 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:パスカル | 作成日時:2021年8月11日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。