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青年会 ページ11

Aと光は海へとくだる。Aは先程の鋭利な雰囲気を微塵も纏ってはいなかった。それから海村まで歩んでいくと、ほんのりと酒臭さを帯びた男達が光の名を叫ぶ。

「今日は送ってあげて」光には、あかりとの約束がある。光は、今も自身の名前を呼ぶ方と、そしてAの方を交互に見やった。Aは、光のそういうところが結構好きだ。

「男の人同士で積もる話があるんでじょ?行ってきなよ」
「………変な寄り道すんなよ」
「人の趣味を変って言うのはどうかと思うなあ」
「ウミウシ探しなんか頻繁にするもんじゃねーだろーがよ」

そうして悪態ついた光の言葉を咀嚼しながら、Aはウミウシ探しの旅へ出た。

光を呼んでいたのは海村の青年会の集団だ。彼等は陸に対していっとう敵対心が強い。ゆえに、宮司の跡継ぎの光に目を付けたのは当然至極。海村は、年功序列と、そして男が強いとされている。

「ま、光って反応いいから、つい構いたくなるっていうのもあるだろうけど」

同年代の要と比較してみれば、よく分かる。上っ面は。


Aが波路中学校を訪れると、そこにはぬくみ雪がたんまりと積もり積もっていた。足跡ひとつない道を噛み締めるようにAは踏み付けて、そして進む。校舎へと入ると、廊下に置かれたロッカーから箒を取り出した。

「ちょっと掃きに来てもすぐ積もっちゃうんだよね。キリが無いなあ………っと、あっウミウシ」

「丁度良かった」箒を置いたAが慎重にそれに触れると、ひとつ息を吐いて吸って、呼吸を止めてから、ゆっくりと人差し指で裏返した。

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(プロフ) - 続きが気になります。更新待ってます。 (1月20日 22時) (レス) id: 080f4a0e49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パスカル | 作成日時:2021年8月11日 15時

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