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波中魂 ページ2

「あ、まなかも来た。お………はよ……う………」
「えへへ………おはようまなかからの呼ばれ方」

Aにとって、幼馴染と言うに値する存在とは四人いる。前記した要とちさきの二人と、そして今、Aたちの目の前でふにゃりと笑うまなかもその一人だ。

「(やっちゃったなあ、これ)」

Aたちの着ているそれとは違う茶色の制服を見て、その場にいる全員の気持ちは同じだった。この後の状況を思って苦笑する三名を見たからか、まなかは察したように、そして隠れるようにその場から背を向けていた。

「後で慰めてあげよっか」
「ううう〜……まなかからの呼ばれ方〜……」


「ッ………まなか!!」

苛立ちを含んだ声が響いたのは、それからすぐのことだった。白い街並みを颯爽と走る、Aの幼馴染の最後の一人である光のご登場だ。それによって、心做しかまなかの背中が震えた気がしなくもない。

「てめぇその格好……!約束したろ!今日は波中の制服着てくって!なに濱中の着てんだよ!?」
「で、でも、そういう異分子っぽいのって、反感買っちゃうかもしれないよ……?」
「おまえなぁ!廃校になったからって波中魂は消えねぇの!」
「ひぇぇ……」

光がご乱心な理由については、Aたちが交わした過去の約束が鍵となっている。簡潔に言えば、Aたちが廃校になるまでに通っていた学校の記憶を忘れない為に波路中学の制服を着て登校をするということ。更に建前を取れば、新たに通う美濱中学の生徒たちへ、自分たちの威厳を示す為というべきか。

しかし、光を除いた四人は建前と言われる方の理由が主なので、彼等の波路中学への制服への拘りに極寒と灼熱ほどの温度差を感じる。現にまなかは美濱中学の制服を着て来ていた。

似合う→←1話 海と大地のまんなかに



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(プロフ) - 続きが気になります。更新待ってます。 (1月20日 22時) (レス) id: 080f4a0e49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パスカル | 作成日時:2021年8月11日 15時

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