【ブルーロック】氷織くんに求愛中！

求愛１４ ページ14

＜氷織＞









「何かしてしもうたんやろか…」



僕は最近のAちゃんの様子を思い出しては自分の行いを思い返していた。

僕の知ってるAちゃんはいつだって明るく接してくれて、弾けるようなかわいい笑顔で時に殺伐としたこのブルーロック内を癒してくれるような存在。


僕に対してもストレート過ぎるくらいの愛情をぶつけてくれる愛おしい子。
僕の気持ちも割と伝えてるつもりやのになかなかわかってない感じに鈍いし笑


でも最近のAちゃんはちょっと変わった。

僕を見ては話しかけたそうにしてはサッと顔を逸らすし、
僕が声を掛ければ『あ…えーっと、なにかな？』困ったように答えてくれる。





どう考えても



「僕がなにかしてしもうたんやろな…」


ポツ、と思わず口から出た。





「なんやなんやお前までしけた顔しとるなぁ？」

おちゃらけた声色で肩を組まれ、思わず少しビクッとした。



「…なんや烏か」


「なんやとはなんや！お前らは揃いも揃って！」





キーッと怒る烏にそれどころではないと内心思いながらなにか用かと問う。あとさっきから誰と重ねてるん？







「いや〜こないだ興味深い噂を聞いてなぁ」


にたにたと面白そうに話す烏に疑問が浮かび、詳しい話を聞いた。






「………は？」


「だから、Aの奴、羊のこと諦めたみたいやで？｣







理解が追いつかず思わずフリーズ。
そんな僕を置いて烏はすたこらと去っていってしまった。















「…」



烏がいなくなった廊下にぽつんと1人残され、さっきの話を思い返した。

Aちゃんが僕のことを諦めた？

あんなにたくさん愛情を伝えてくれたのに？

あんなにかわいい笑顔を僕に向けてくれてたのに？









でも、いまのAちゃんの様子を考えると烏の話は絶対違うとは言い切れない。









「…行かんと」






考えれば考えるほど苦しくなる胸に僕は歩みを進めた。






確かめたい。





話したい。











Aちゃんの声が聞きたい。



















それしか考えられなくて







気が付けば






『氷織くん？！』






Aちゃんを抱きしめてた。

すっぽりと自分の腕の中に収まる小柄な身体を愛おしく思いながら頭の中を整理した。



なんで避けてたん？


烏と話したん？





僕を












好きじゃなくなってしもたの？












そう聞いたAちゃんの顔はどう見てもびっくりした顔で、そんな顔すら愛おしく思う僕は重症やなって我ながら思った。

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