99話 受け入れてほしくて ページ4
Aside
…この大ガマって人…怖い人かと思ったけど、優しい人なんだ
土蜘蛛も、優しいし…
二人とも私のこと一番に考えてくれてるのかな…?
貴「……」
私はチラッと大ガマを見る
大ガマは、笑っていた。
…ここで遊んでて楽しいから笑ってるの?
…それとも……
…私といるから…?
大ガマ「…ん?なんだ?」
私はずっと大ガマを見ていたらしく、大ガマと目があってしまった
思いっきり目をそらした。
貴「……なんでもない」
少し、思ってしまった
この二人が私の旦那さんだったのなら、嬉しいかも…
貴「……」
でも、記憶を無くした私を…土蜘蛛や大ガマは受け入れてくれるの…?
急に怖くなってきた。…どうして私、全部忘れちゃったんだろう…
忘れてなければ、今頃…もっと土蜘蛛や大ガマと…
貴「……」
心が痛い。
大ガマたちがこんなに優しくしてくれるのは、きっと私が記憶を取り戻すきっかけを探しているからだろう
それで、私がこのまま記憶を取り戻さなかったら、二人は私から離れていくんじゃないの…?
もう、ぱふぇも食べさせてもらえないし、こんな楽しい場所にももう連れてきてもらえなくなるの…?
今の私は、見てもらえないの…?
ポタッ ポタッ
大ガマ「…え?ちょ、どうした?」
貴「…え?」
気がつくと、私は涙を流していた
今の私が嫌で、『どうして記憶をなくしちゃったの?』って…
私、土蜘蛛と大ガマのことだけは忘れたくなかった
…夢の中でみた私に笑いかける二人は、“今の私”に笑いかけてくれるの…?
貴「…私、どうして…記憶なくしちゃったんだろっ…!」
大ガマ「は……?」
貴「記憶さえ無くさなければ、今の私を嫌いになることも、二人が私から離れていくんじゃないかって心配もしなくてよかったのに…!!」
私の感情が、留まることを許さなかった
私から出ていくのは、ただの愚痴と涙だけ
すると、私は腕を大ガマに引っ張られた。
引っ張られた腕は、私の身体を大ガマの身体へ引き寄せて、人が大勢いる中で私は大ガマに抱き締められた
貴「…え……?」
大ガマ「俺が、お前から離れるなんて絶対ねぇ!…今のお前に前のお前の面影なんて求めねぇし、俺は…今のAが好きだから」
…大ガマは、今私が言ってほしいことを全部言ってくれた。大ガマの腕の中で、私は沢山泣いた。
『今の私は受け入れられてるんだ』って思うと、自然と涙が出てきた。
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レミィドール - 途中途中、泣きながら読んでいました (2019年5月3日 0時) (レス) id: 104f8ae6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ツクヨミ - 久しぶりに見ましたが、やっぱり最高です! (2018年12月21日 21時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - とても面白かったです〜(*≧∀≦*) (2018年7月6日 17時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
るーく - いえいえ!あの…!リクエストのことで…!土蜘蛛と大ガマ!以外でもいいですか?okでしたら…酒呑童子と…& 難蛇龍王がいいなと…思いまして…!どうですか? (2018年4月3日 18時) (レス) id: 63408e7496 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - るーくさん» 最後まで見てくださって本当にありがとうございました!るーくさんには本当元気もらいました!なにかリクエストあったら言ってください!作品にさせていただくかもしれません! (2018年3月30日 19時) (レス) id: 4558bdaa92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナミ | 作成日時:2018年1月8日 3時