121話 伝えた想い ページ26
大ガマside
何が起こっているのか分からなかった
羅刹をAの体に封印…?
どういうことだ?
大ガマ「A……?」
俺は静かにAの名を呼んだ
先程までシラだったはずのAがゆっくり俺の方を向き、哀しく微笑んだ
その笑顔で、今、Aが何をしようとしているかを悟った
大ガマ「何してんだよ!?自分を犠牲にするとか、馬鹿げてる!!」
俺は怒鳴った
今のAがしようとしていることを正しいと思えなかった
貴「こうするしかないんだよ…!」
Aがそう言っている間にも、羅刹はAのあいた胸の中へ吸い込まれていく
大ガマ「やめろ…!お前が死ぬなんて…嫌なんだよ…!」
土蜘蛛「まだ…何か方法があるはずだ…!」
棒立ちになっていた土蜘蛛が口を開く
土蜘蛛の握る拳は、震えていた
大ガマ「考える時間はまだ⎯⎯ 」
『考える時間はまだある』
そう言いたかった。だが、その言葉は白んできた空によってかきけされた
Aの体は、もう既に羅刹の力によっての大きな負担がかかっている。夜明け…朝日が出てくればもうAの命はないと、シラに言われた
大ガマ「っ…!まさか…またシラに何か吹き込まれたのか?だとしたら今すぐシラをー…」
貴「違うよ!!むしろシラは私たちを守ってくれてるんだよ!?」
Aの怒鳴り声が、身体に響いた
その目には、少し涙が浮かんでいた
…守ってくれてた…?
貴「好きな人を守りたい気持ちは、私もシラも同じなんだよ…!大ガマはそのシラの気持ちも受け止めてよ!!」
大ガマ「…何をいって……」
Aの台詞に何か違和感を覚えた
まるで、シラが俺を好きみたいな言い方…
シラ「…本当だ」
大ガマ「!?」
一瞬にして、Aがシラへと変わった
前まではその意識交代もAの負担が大きかったはずだ。それを軽々と…
シラ「我とAは心を通わせた故、表に出るのが楽になった。…本当は、お主たちとも心を通わせたかったがな」
大ガマ「……?」
土蜘蛛「……」
シラは目を細め、儚く消えてしまいそうな笑顔を向けたあと、目を閉じて語った
シラ「お主らに想い抱いているのは本当だ。だから守りたいと思った。だが同時にAのことも好いている。どちらも助かる法は、今の我には知識不足だった」
シラは次々に語った。
シラのその姿は今まで見てきたような、人を突き放すような態度ではなく、慈しむように静かに話してくれた
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レミィドール - 途中途中、泣きながら読んでいました (2019年5月3日 0時) (レス) id: 104f8ae6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ツクヨミ - 久しぶりに見ましたが、やっぱり最高です! (2018年12月21日 21時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - とても面白かったです〜(*≧∀≦*) (2018年7月6日 17時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
るーく - いえいえ!あの…!リクエストのことで…!土蜘蛛と大ガマ!以外でもいいですか?okでしたら…酒呑童子と…& 難蛇龍王がいいなと…思いまして…!どうですか? (2018年4月3日 18時) (レス) id: 63408e7496 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - るーくさん» 最後まで見てくださって本当にありがとうございました!るーくさんには本当元気もらいました!なにかリクエストあったら言ってください!作品にさせていただくかもしれません! (2018年3月30日 19時) (レス) id: 4558bdaa92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナミ | 作成日時:2018年1月8日 3時