118話 血桜の乱れ舞い ページ23
私の…必殺技……
必殺技といったら、さっきの土蜘蛛の土遁の術とか、大ガマの変化の術とかだよね？
私にも…あんな強い術が…
私はフッと羅刹を見る。
周りには土蜘蛛と大ガマ含む妖怪たちが羅刹に立ち向かっている。よくよく見れば、攻撃の大半は避けられている。羅刹を倒すには困難だろう
…もし、私の必殺技が羅刹を倒す唯一の法なのなら…
貴「…わかった。どうやって出せばいいの？必殺技」
私は決意し、シラに必殺技の出し方を聞いた
『…良かろう。妖気ゲージは満たしているか？』
貴「妖気ゲージ…？」
聞いたことがない。なに、妖気ゲージって
『…必殺技を１度も使ってはおらぬのだな？なら問題ない。まずは倒したい相手に意識を向ける。そして思いきり念じるのだ。さすれば、己の必殺技が出せる』
…倒したい相手…羅刹しかいない。
思いきり念じる…
私は『念じる』というのがどうすればいいのかよく分からなかった。
だからとりあえず力いっぱい力んだ。
力みながら、羅刹の事を考えた
…羅刹を倒したい…羅刹を倒したい……
その一心だった
すると、足下から不自然に桜の花びらが出てきて、身体のまわりを舞う。
その桜の花びらは躍るように私のまわりを舞って、花びらひとつひとつが淡いピンク色になったり、濃いピンクになったり…
私は無意識に口ずさんでいた
貴「…『血桜乱舞の術』」
私がそう唱えた瞬間、まわりを舞っていた桜の花びらが一斉に羅刹の方向へ飛んでいく
羅刹『……！？』
花びらは羅刹を取り囲むと、まるで包み込むように羅刹に覆い被さった
そして私の口が開き、
貴「咲き狂え」
私は自分の前に出した広げた手を、思いっきり握りしめた。その瞬間
羅刹『グギャアアァアァァアアアァ…！！』
まわりを取り囲んでいた桜の花びらが羅刹を縄のように縛り捕らえ、そのまま締める力を強めていく。
羅刹『グッ…グェアアァァア……！！』
大きな鬼のような、しっかりした体を持っていた羅刹の身体が桜の鎖によって砂時計のような形になっている
……そろそろだ
貴「…華麗に散るがいい」
私は手をおもむろに広げると、そのまま空中で払いのけた。
すると、
羅刹『グアァァアアァアアァアァアア！！』
羅刹はそのまま真っ二つになった
羅刹を引き締めた桜の花びらたちは事を終えると哀しく散っていく
羅刹はそのまま倒れると、元の黒い渦に戻った
貴「…私の…必殺技…」
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レミィドール - 途中途中、泣きながら読んでいました (2019年5月3日 0時) (
レス) id: 104f8ae6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ツクヨミ - 久しぶりに見ましたが、やっぱり最高です! (2018年12月21日 21時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - とても面白かったです〜(*≧∀≦*) (2018年7月6日 17時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
るーく - いえいえ！あの…！リクエストのことで…！土蜘蛛と大ガマ！以外でもいいですか？okでしたら…酒呑童子と…& 難蛇龍王がいいなと…思いまして…！どうですか？ (2018年4月3日 18時) (レス) id: 63408e7496 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - るーくさん» 最後まで見てくださって本当にありがとうございました！るーくさんには本当元気もらいました！なにかリクエストあったら言ってください！作品にさせていただくかもしれません！ (2018年3月30日 19時) (レス) id: 4558bdaa92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナミ | 作成日時：2018年1月8日 3時
