98話 独りにしないから ページ3
貴「な、なんなんですかあなたは!?」
化け物役にしゃべりかけてるし…
貴「こ、ここ無駄に暗くないですk…」ピトッ
大ガマ「あ」
貴「あぎゃあぁああぁぁああぁあぁあ!!!」
絶叫しながら先を走るA…今の、こんにゃくだぜ?
大ガマ「このお化け屋敷もベタなの使ってくるなぁ」
っと、Aが迷子になっちまう。急がねーと
急いだ先には、暗い中うずくまるAがいた
大ガマ「やっと追いついた…お前少しは落ち着けって…」
俺がAの肩に手を置いたときだった
貴「っ……!!」
大ガマ「……え」
そこには泣いているAの姿があった
目を赤く腫らして、俺が来るまでずっとここでうずくまって泣いてたのか…?
貴「…ふ、ふぇぇ……」
俺を見て安心したのか、俺を見るなりもっと泣き出した。
…馬鹿か、俺。
さっき守るって言った笑顔、もう壊れてんじゃねぇか
大ガマ「…ごめん」
俺は座ったままのAを抱き寄せた。
少しでも安心してほしくて。
大ガマ「ひとりにしてごめんな…A…」
貴「だ、いじょうぶっ…。もう、へいき…」
そう言うAの顔を見ると、まだ今にも泣き出しそうな顔をしているのに、頑張って笑っていた
大ガマ「もうひとりにしねぇから。一緒に出ような?」
貴「……うん…」
俺は、Aと一緒に手を繋いでお化け屋敷から出た
大ガマ「ふぅーー!凄まじく酷いお化け屋敷だったな!」
貴「あの…ごめんなさい…取り乱しちゃって…」
申し訳なさそうに俺を見るA。
ほら、また笑ってない
大ガマ「いいから!そういう物なんだってこの屋敷は!…それよりさ、その堅苦しいしゃべり方やめね?タメ口でいいからさ!」
貴「え…?」
大ガマ「俺のことも『大ガマ』って呼んでくれよな!…ほれ、言ってみろ。『大ガマ』って」
貴「…大ガマ…?」
ズッキューン
初めて呼ばれたわけじゃねーのに、この初々しさでもうノックアウトだぜ…!
大ガマ「おう!A!」
貴「っ……」
大ガマ「…ん?なんか、顔赤くなってね??」
貴「なってない!!」
大ガマ「嘘つけって、鏡見てみろよ!」
…あれ、なんか…
前と同じノリ…じゃね?
確信した。
消えちまった記憶なんて、取り戻さなくてもいいじゃねぇか
今を楽しめれば、それでいいじゃねぇか
悔やんだって、何も戻ってこない
俺は、今のAを受け入れる…!
貴「…ふふっ」
この笑顔だけは守らねぇと
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レミィドール - 途中途中、泣きながら読んでいました (2019年5月3日 0時) (レス) id: 104f8ae6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ツクヨミ - 久しぶりに見ましたが、やっぱり最高です! (2018年12月21日 21時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - とても面白かったです〜(*≧∀≦*) (2018年7月6日 17時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
るーく - いえいえ!あの…!リクエストのことで…!土蜘蛛と大ガマ!以外でもいいですか?okでしたら…酒呑童子と…& 難蛇龍王がいいなと…思いまして…!どうですか? (2018年4月3日 18時) (レス) id: 63408e7496 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - るーくさん» 最後まで見てくださって本当にありがとうございました!るーくさんには本当元気もらいました!なにかリクエストあったら言ってください!作品にさせていただくかもしれません! (2018年3月30日 19時) (レス) id: 4558bdaa92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナミ | 作成日時:2018年1月8日 3時